研究課題/領域番号 |
18K01381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
宮本 ともみ 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20361040)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 災害関連死 / 東日本大震災 / 熊本地震 |
研究実績の概要 |
本研究は、「災害弔慰金の支給等に関する法律」(昭和48年9 月18日法律第82号)に基づいて支給される災害弔慰金のなかで、その支給対象となっている災害関連死(すなわち、災害にともなう過労や環境悪化等による病死などの内科的死因にもとづく死亡)を取り上げて、各地方自治体で行われている災害関連死の認定の基準や手続をめぐる実態をできるだけ明らかにすることを目的とした。このために、当初、本研究の手法は、全国的なアンケート調査・集計および聞き取り調査に依拠して分析・考察を行うことを中心としており、かつ、アンケートおよび聞き取り調査は時期的に近接して行いたいと考えていたので、コロナ禍の影響が落ち着くまで調査の実施は延期することとした。 他方、東日本大震災10年を迎えた一昨年度は、政府も「災害関連死」の事例収集を行うということであったので、新たな研究計画として、これまでに公表されてきた災害関連死の認定基準および災害関連死をめぐる裁判例の考察をすることを計画し、その成果として「災害関連死について」(アルテス リベラリウス第107号)を公表した。 令和3年度もコロナ禍の影響で調査を行うことは困難であったため、一昨年度に公表した上記の「災害関連死について」をもとに、その後の関連資料も収集して新たな分析を行った結果、本研究の目的であった統一的な認定基準および手続の実態とは別に、異なる観点から災害関連死を認定している自治体があることが見えてきた。 令和4年度もコロナ禍の影響により、研究期間を1年延期した。令和5年度においては、新たに見えてきた視点をもとに従来とは異なる観点から災害関連死を認定していると思われる自治体に絞って聞き取り調査を実施し、これまでの考察と合わせて実証し、その成果を主に実務に携わる方々を対象として分かり易く参照できる資料の作成・交付を行うことで、本研究の総括をしたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究当初の予定では、全国の県市町村へのアンケート・聞き取り調査を手掛かりにすることを予定していたが、コロナ禍の影響があり、令和3年度の研究を、これまでに公表されてきた災害関連死の認定基準および災害関連死をめぐる裁判例の考察に計画変更を行った。 令和4年度も依然としてコロナ禍のために全国的な調査は困難であったために、上記の考察にもとづいて、さらに新たに積み重ねられてきた文献等をもとに分析することにより、本研究の当初の目的とは別に、異なる観点から災害関連死を認定している自治体があることが見えてきた。異なる観点から災害関連死を認定している自治体の実態をも明らかにしたいとの目的が加わったために、当初の研究予定よりやや遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的を果たすためには、調査が必要である。とはいえ、当初予定していた全国的なアンケート調査は、多くの公表された統計および資料を改めて収集・分析したことにより全国的に実施する必要性は低くなっている。他方、これまでとは異なる観点から災害関連死を認定している自治体があることが見えてきたので、その実態を明らかにするために聞き取り調査の対象を絞って調査を行う予定である。 本研究は、何よりも、現実に災害関連死を認定しなければならない地方自治体の実務に役立つことに重きを置いているので、そのためのに本年度は、従来とは異なる観点から災害関連死を認定していると思われる自治体の聞き取り調査を実施し、これまでの考察と合わせて実証し、その成果を主に実務に携わる方々を対象としてリーフレットのような参照資料を作成して配布することで、本研究の総括をしたいと考えている。
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