研究課題/領域番号 |
18K01412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 奈良大学 (2019-2022) 大阪大学 (2018) |
研究代表者 |
竹中 浩 奈良大学, 社会学部, 教授 (00171661)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 北東アジア / ロシア帝国 / 先住民 / 移民 / シベリア地域主義 / チベット仏教 / バルカン / 汎スラヴ主義 / 反ユダヤ主義 / ブリヤート / 国民国家 / ロシア政治思想 / 行政史 |
研究成果の概要 |
本研究では、欧米で政治的動揺が顕著に現れる19世紀末という時代にあって、北東アジアに対して欧米が持った基本的な見方を明らかにしつつ、主としてロシアに注目し、この国が、北東アジアとの関わりにおいて、西欧とは異なった自意識を持ちながら、先住民族にとっては他者でしかありえないという状況の中で、自らのアイデンティティを模索したことを確認した。またこの時代のロシア政治思想において、シベリアとアメリカの類比や、連邦制という新しい国家像への注目が見られることを明らかにし、政治と文化の複雑な関係が帝国の統合と解体後の歩みに及ぼす影響について、比較史的に検討するための視座を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、帝国統治における文化と政治の関係の分析を通じて、文化的な異質性は必ずしも民族間の政治的敵対をもたらさず、文化的な近さは政治的な親和性を保証しないことを明らかにした。この認識は、帝国から移行した政治秩序における民族問題を考える際にも当てはまるであろう。特に、ロシアと同様、領域内に異なった文化的特徴を有する民族を含む中国について考える際に役立つ視点を提供する。それゆえ本研究の成果は、比較史的研究の発展に資するのみでなく、文化と政治の複雑な関係が帝国解体後の歩みに及ぼす影響についての認識の深化につながるものであり、現代の国際政治を理解する上でも少なからず意味を持つはずである。
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