研究課題/領域番号 |
18K01438
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上野 眞也 熊本大学, 熊本創生推進機構, 特定事業教員 (70333523)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 水俣病 / メチル水銀曝露 / 曝露リスク / 魚介類 / シミュレーション / HACCP / メチル水銀曝露リスク / メチル水銀 / 暴露リスク / 患者支援団体 / 社会運動 / 訴訟 / 公共政策 / 悪構造 / 流通 / 漁業 / システム・ダイナミクス / 聞き取り調査 |
研究成果の概要 |
水俣病を引き起こしたメチル水銀曝露が、八代海沿岸からさらに内陸部にまで及んでいたという曝露リスク言説を科学的に検証するため、汚染魚がどこで漁獲され、どこの港に運ばれ、どう流通したのか、また当時の人々がどれほど摂食したのかについて、社会調査、資料データの探索、聞き取り調査を行った。そこで得られた知見を基に、曝露のシミュレーションモデルをつくり、地域ごとのHACCPによる曝露リスク評価を行った。また2度にわたる政治解決の後、これまで被害がなかった地域に救済を求める社会運動が伝搬していった過程を、問題を終わらせないシステムとして駆動する「悪構造」の問題としてシステム・ダイナミクス分析で解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の水俣病研究は医学的な議論が中心であったが、本研究では工場排水から魚の曝露、捕獲、流通、魚の摂食という一連の因果関係を網羅した知見を、調査やデータ分析から導き出し、それによって八代海沿岸及び内陸部の地域毎のメチル水銀曝露リスクについて、HACCP方式で評価した。これによりリスクにかかる変数と値が明示され、争点でなにが異なっているのかが明確になり、その適否について科学的な検証が可能となった。またこの公害問題が、なぜ公共政策が長年取り組みながら、終わることができないのかについて、公共政策学的なモデルで説明をした。これにより行政の政策形成や訴訟におけるリスク評価に寄与できる知見が得られた。
|