研究課題/領域番号 |
18K01445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
坂部 真理 大東文化大学, 法学部, 教授 (30513668)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アメリカ教育改革 / 教員政策 / 新自由主義 / 資本主義の多様性論 / 経営者団体 / 新自由主義/新保守主義 / レーガン政権 / サプライサイド戦略 / 教育改革 / 人的資本投資 / どの子どもも落ちこぼれにしない法 / 企業による教育改革 / 日米比較 / 資本主義の多様性 |
研究実績の概要 |
2022年度はコロナ禍による渡航制限の影響により、当初予定していた国内外での資料収集・調査を実施できなかった。したがって、既に入手した資料の範囲内で可能な研究として、オバマ政権期に実施された教育改革-特に公立学校教員に対する業績評価制度改革と業績給(performance-related pay:PRP)の導入-をめぐる政治過程の分析を行うことにした。今年度は、まず政治学・教育学両分野における先行研究を整理した上で、上記の教員制度改革が2000年代に進行した背景を、①1990年代に各州で進行した教育成果管理体制の構築と、それを前提とする②教員の業績評価に関する「付加価値モデル(value-added models:VAM)」言説の登場・普及、および①②の相互作用によってもたらされた③教員組合と他の諸集団との関係変化、という諸要因に焦点を当てて分析し、その結果を一本の論文にまとめた。前年度までに著者は、1980年代から2000年代のブッシュJr.政権期までの教育改革を分析し、その中では、グローバルな知識基盤社会に必要とされる技能形成という観点から、主要な経営者団体が従来の「職業教育」重視の立場を転換し、「普通教育」重視、および後者への連邦政府の関与を積極的に支持するようになった過程を分析してきた。この2000年代初頭までの政治過程においては、主要な経営者団体が教育改革の支持連合を拡大するために教員組合(NEA/AFT)との協調・連携を模索していた点に一つの特徴があった。これに対し、オバマ政権期の教育改革では、生徒の学業成績に対する個々の教員のアカウンタビリティが厳格化され、この問題をめぐって教員組合と経営者団体らの間に先鋭な対立が顕在化した点に変化が見られる。このオバマ政権期における教育政治の変化について引き続き分析を進め、2023年度中に研究成果をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により国内外での資料収集・調査が困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
この間のコロナ禍の影響により、国内外での資料収集・調査に大きな遅れが生じている。特に国内での諸団体への対面調査はほぼ不可能な状況が続いていた。したがって、以後は、コロナ禍以前に収集を進めていた資料およびオンラインで入手可能な文献と資料をもとに、主に2000年代のアメリカの教育改革に焦点を絞った研究を行うことにする。本研究全体の課題は、グローバルな知識基盤社会における経営者団体の労働力育成戦略の変化の分析であり、そのような改革潮流と関連する形で、2000年代のアメリカでは教員政策の分野で重要な改革が進行しつつある。今年度は、この教員制度改革をめぐる政治過程を分析し、研究成果をまとめる
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