研究課題/領域番号 |
18K01452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
星野 昌裕 南山大学, 総合政策学部, 教授 (00316150)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 中国政治 / 民族問題 / 民族政策 / 民族政治 |
研究実績の概要 |
本研究は、中国政治の変容過程を分析するには中国社会の多民族性を射程に入れる必要があるとの認識から、とくに中国の民族政策の枠組みがどのように変化しつつあるのか、その変容過程を明らかにすることを目的としている。この研究を進めるには、新疆ウイグル自治区をはじめとする中国各地の少数民族地域でフィールドワークを実施して現地の状況を詳細に把握することが必要であるとの認識から、中国社会科学院等に所属する中国人研究者、また同じ研究目的を持つ日本人研究者らとともに少数民族政策の現状と課題に関する現地調査を実施することとしていた。しかし、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延するなかで、2020年度、2021年度に続き、2022年度においても中国へ渡航してフィールドワークを実施することはできなかった。このような不測の事態に対応するため、文献の購入やデジタル化、またZOOM等を利用して研究者らとの意見交換を進めるなどして、研究の前進を試みた。その成果報告として、2022年10月には日本国際政治学会2022年度研究大会部会05「宗教要因とリベラル秩序の動揺」において「中国の民族・宗教政策とリベラル秩序の変容」と題する研究報告を行った。また、中国の少数民族地域に流れる国際河川を事例に取り上げて、少数民族地域を介した中国と周辺国との関係について研究を進め、その成果を2023年3月に北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターで開催された公募研究プロジェクト型セミナーで報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は当初4年間の研究計画のなかで、1)民族政策転換論が登場するにいたった歴史的、政治的、社会的背景の分析、2)民族政策転換論の内容および言説に対する詳細な分析と体系化、3)民族政策転換論の視角からみた中国の政治変容に関する分析、4)比較政治学的視点による他国他地域との相対的分析という4つの分析を行いつつ、少数民族地域でのフィールドワーク、インタビュー、資料収集を行うこととしていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって、2020年度、2021年度、2022年度の3年にわたって海外に渡航できず、本研究にとって重要な少数民族地域でのフィールドワークがまったく行えなかった。本研究成果に関する意見交換は、オンラインを利用してすすめたが、民族問題という研究テーマが中国においては政治的に極めて敏感な分野であるため、中国在住の研究者とのオンラインによる意見交換は、情報管理という観点から困難が伴った。このような事情を勘案し、本研究全体を1年間延期する決断を下した。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画していた本研究期間の後半が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を強く受けてしまったことから、研究計画を延長することを決めた。コロナの文脈では2023年度に中国へ渡航できる可能性もでてきたが、民族問題の政治性が高まっているという観点では、中国へ渡航するリスクがないとはいえない。こうした要素を念頭におきつつ、入手した資料のデジタル化などを進めて研究資料を整理するほか、とくに比較政治学的視点による他国他地域との相対的分析研究を進めることによって、研究課題の総合的なまとめを行っていく。
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