研究課題/領域番号 |
18K01461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 春美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00282492)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 国際連盟 / 経済社会人道面での活動 / 国際主義 / 帝国 / 国際連合 / 社会人道面での活動 / アヘンの規制 / 帝国主義 / 保健 / 経済社会面での活動 / アーサー・ソルター / チャールズ・キングズリー・ウェブスター / 太平洋問題調査会 / 社会人道活動 |
研究実績の概要 |
本年度は、‘The League of Nations’ Technical Work in the Years of Growing Nationalism’という論文を Christopher R. Hughes and Hatsue Shinohara 編の East Asians in the League of Nations: Actors, Empires and Regions in Early Global Politics (Palgrave Macmillan, 2023)に掲載することができた。1930年代にナショナリズムが強まる中、日本と中華民国が国際連盟の社会経済面での活動をどのように利用しようとしたかを考察したものである。中心的には他の科研による成果であるのだが、本科研で検討する「国際連盟の社会人道面での活動」に関するものであり、完成させる段階では本科研の支援が非常に役に立った。 また、『岩波講座世界歴史』第20巻(二つの大戦と帝国主義I 20世紀前半)に「展望 世界大戦による国際秩序の変容と残存する帝国支配」を執筆した。20世紀前半の国際秩序に関し広い読者を想定した講座である。コロナ禍の影響を受けた2020年度以降、19世紀以来の国際主義の発展、およびその帝国主義との近接性に関し、思想的側面にも視野を広げて考察を深める努力を続けた成果が反映できたと考えている。経済社会人道面に限るものではないが、国際連盟から国際連合への発展、連続についてもふれることができた。 さらに、2020年度に上梓した英文の著作が契機となって、Centenary of the International Committee on Intellectual Cooperation of the League of Nations という国際連盟知的協力委員会に関するハイブリッド形式の国際学会において、Session 6, Asia and Intellectual Cooperation: a Long-Distance Relationship の司会をオンラインで務めることができた (2022年5月12-13日、対面開催の場所は United Nations Geneva)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響を受けた2020年度以降は、本科研の課題の中でも「国際連盟の社会人道面での活動」に集中し、その背景にあった19世紀以来の国際主義の発展、およびその帝国主義との近接性に関し、思想的側面にも視野を広げ、二次文献の渉猟などによって考察を深める努力を続けてきた。本年度もこの点に関しては、それなりの成果を上げることができたと考えている。 一方、2022年度にはコロナ禍は落ち着く方向に向かったのだが、海外に資料収集に行くことは延期とした。そのため、この研究課題を当初構想したときに考えていた「国際連合経済社会理事会への連続と断絶」という側面に関しては、今年度もほとんど進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はSセメスターのみであるがサバティカルをいただく。コロナによる移動制限も緩和されたので、海外に資料収集に赴く予定である。これまでほとんど進めることができなかった「国際連合経済社会理事会への連続と断絶」という側面について、資料を集め、検討していきたいと考えている。本年度中に成果をまとめるまでには至らないと考えるが、研究期間を再延長していただけたおかげであると感謝申し上げる。
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