研究課題/領域番号 |
18K01552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07030:経済統計関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
溝渕 英之 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (10516793)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 推移性 / Dutot指数 / Jevons指数 / homotheticity / Hicks neutrality / α returns to scale / 消費者物価指数 / フィッシャー指 数 / トルンクヴィスト指数 |
研究実績の概要 |
本研究の目標は、推移性を満たす物価指数・数量指数を考案することにある。令和元年度は推移性という公理自体をより深く考察した。 令和元年度の研究成果は次のようにまとめられる。第一に推移性を用いて、Dutot型の物価指数・数量指数の特徴付けを行ったことである。推移性を満たす物価指数・数量指数としては、幾何平均によるJevons指数と、算術平均によりDutot指数が知れているが、Jevons指数の特徴付けの結果はすでに導かれていたものの、Dutot指数については手つかずになっていた。今回、新たにidentity price testという公理を推移性とともに用いることにより特徴付けに成功した。 上記の結果より、推移性を物価指数・数量指数に課すことは、固定ウエイトを課すこと意味する。第二の研究成果は、固定ウエイトを用いることは、価格・数量・生産性の変化を計測するうえで、極めて有害であることを、数値例とともに示したことである。固定ウエイトを課すことで、たとえ価格・数量・生産性が低下していても、上昇していると誤った結論を導いてしまう可能性があることが明らかになった。 これらの結果から、推移性を物価指数・数量指数に課すことの問題点が明らかになったといえる。推移性を課すことは、計測上の別の問題(バイアス)を生み出す。推移性を満たす物価指数・数量指数を考案する際には、この付随するバイアスを最小にするものでなければならない。これは、令和二年以降の研究をすすめていくうえで極めて示唆に富む研究成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
推移性を満たす物価指数・数量指数を導くという今後の研究について、極めて示唆に富む研究成果が得られたから。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたり、推移性を満たす物価指数・数量指数を提案するという、当該研究の最終目的を果たしたい。
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