研究課題/領域番号 |
18K01644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 正義 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (70318666)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生活保護 / 基礎控除 / 保護基準 / 就労所得 / 労働供給 / 就労 / 被保護者調査 / 労働供給の弾力性 / 低所得者 / 群集(バンチング) / 課税と給付 / 集群データ / 市町村合併 / 級地 |
研究成果の概要 |
本研究では「被保護者調査」からの個票データを用いて生活保護制度が被保護者の就労に与える影響を考察した.具体的には,生活保護の動向とともに保護世帯の就業状況の実態を記述統計とプロビット分析によって分析した.また,生活保護制度における基礎控除と生活保護基準の仕組みを利用することで生活保護受給者が直面する価格と実効所得を識別し,労働供給にかかる価格効果と所得効果を推定した.推定においては当該価格と実効所得の内生性に対し,2013年8月の基礎控除制度の改定を利用した操作変数法を用いることで対処した.推定の結果,被保護者の反応はその特性によって変わるものの,概して高い所得効果を有することを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生活保護受給者(被保護者)の就労に関しては基礎情報自体が分かりやすい形で提示されておらず,その実態はわかりにくい状況であった.本研究では全被保護者を対象とする「被保護者調査」からの世帯データを利用して幾つかの基礎統計量を示し,全貌を分かりやすい形で提示した.またプロビット分析を用いて,どのような特性をもつ被保護者が就業しやすいかも示した.さらに被保護者は就労すると給付が減ってしまうので,その仕組みがどれだけ就労に影響を与えるかを,就労の価格弾力性および所得弾力性を推定することで,検討を加えた.これらの推定結果は,生活保護基準と基礎控除を中心とする生活保護の仕組みを考える際に役立つと考えられる.
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