研究課題/領域番号 |
18K01678
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 中央大学 (2019-2023) 一橋大学 (2018) |
研究代表者 |
高見澤 秀幸 中央大学, 商学部, 教授 (60361854)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 金利 / 配当 / 期間構造 / リスクプレミアム / リスク / 選好 / 株式 / エクイティプレミアム |
研究実績の概要 |
本課題の目的は、株式配当に関する期間構造の理論モデルを構築し、実証することである。具体的には、配当リスクプレミアムの期間構造に影響を及ぼす要因を特定し、その要因が投資家のリスク選好とどのよう関連しているかを明らかにする。配当期間構造は株式のリスクプレミアムを細分化したものであり、バリュープレミアム等の源泉を明らかにする手がかりになる。また、配当期間構造から示唆される投資家のリスク選好がわかれば、投資家ニーズに即した企業の配当戦略にも寄与する。 最終年度の成果としては、投資家の効用関数に曖昧さ回避度を導入したことを挙げる。曖昧さ回避度を導入する利点は、コロナ・パンデミック時のように資産価格が大きく変動する様子を捉えられることである。ただし、曖昧さ回避度を状態変数に依存させると資産価格を近似的にでも解くことが難しくなるため、曖昧さ回避度が変化するような拡張は難しいことがわかった。 期間全体を通して得られた主な成果として、以下の3点を挙げる。第一に、金利期間構造のモデルは簡略化できることを示したことである。配当期間構造は金利期間構造に配当リスクプレミアムの期間構造を加えたものであるため、モデルの金利部分を簡略化できれば配当部分の精緻化に注力することができる。第二に、金利期間構造と配当期間構造を同時に説明できるモデルを提案したことである。平均的に、名目金利の期間構造は右上がりで配当期間構造は右下がりである一方、実質金利の期間構造は右上がりにも右下がりにもなりうる。このような期間構造の形状をすべて説明できる均衡型モデルは先行研究になく、当研究の大きな貢献と言える。第三に、このような期間構造から示唆される投資家の選好を導いたことである。投資家は、リスク回避度を大きく変化させている可能性がある一方、時間選好を安定的に保つ傾向があることがわかった。
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