研究課題/領域番号 |
18K01768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
馬場 敏幸 法政大学, 経済学部, 教授 (00359663)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 自動車産業 / サポーティング産業・裾野産業 / 金型産業 / グローバルバリューチェーン(GVC) / 新型コロナ / ブラジル / 日本 / レジリエント / 中国 / 産業集積 / 経済地理 / 移民 / キャパシティビルディング / 移民研究 / サポーティング産業 / 裾野産業 / グローバルサプライチェーン / 開発経済学 |
研究実績の概要 |
2023年は新型コロナウイルス感染症のもと、ブラジル、日本、世界の自動車産業と金型産業に対してどのような影響を与えたのか分析を行った。新型コロナ前の2019年時点でブラジルの自動車生産は世界第八位(294万台)の規模であった。しかし新型コロナの影響でブラジルの自動車生産は201万台(前年比32%)にまで大きく後退した。自動車生産は、ブラジルの2003~2004年頃の水準まで落ち込んだ。新型コロナ禍によりブラジルの自動車産業は16年も時計が逆戻りしてしまった。ブラジルで一体何が起きたのか、新型コロナによるブラジル自動車産業への影響について分析を行った。 ブラジル政府&行政の新型コロナ対応は迅速だった。ブラジルは2020年2月3日にマエンデッタ保健相により非常事態宣言を行った。これは世界的に見ても迅速な対応であった。マエンデッタ保健相は、新型コロナ感染症拡大防止に政府が積極的に関与すべきとし、個人の感染防止の徹底及び、企業の行動制限強化を訴えた。これに対しボルソナロ大統領の方針は保健相の方針に真っ向から反対した。その結果、マエンデッタ保健相を解任した。後任のネルソン保健相とも対立し辞任に追い込んだ。その後も大統領は積極的な対応を行おうとする行政とことごとく対立した。こうした国のトップの方針の不一致はブラジルに混乱を招き、ブラジルは世界的な新型コロナの感染地になってしまった。自動車産業への影響も大きく、2020年4月はブラジルが自動車生産統計を取り始めて以来最低の月産台数(月1847台)にまで落ち込んだ。ブラジル自動車産業のパイオニア的な存在であったフォード・ブラジルも撤退を決定してしまった。このように新型コロナはブラジル自動車産業に大きな影響を与えた。金型需要産業である自動車産業の減退で金型産業にも大きな影響が出た。2023年はこうした研究結果について、国内・海外で報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の研究でブラジルの自動車産業・金型産業が新型コロナによりどのような影響があったのかを中心課題として研究を行った。ブラジルは新型コロナの世界的流行地になり、自動車産業・金型産業も大きな影響を受けた。どうしてブラジルがこのような事態に陥ったのかについて情報を収集し、分析を行った。また日本、世界の自動車産業・金型産業が新型コロナによりどのような影響があったのか、そして政府・企業がそれに対してどのように対応したのかについても調査した。外的・内的要因により企業経営に大きな影響があった時に、そこからの復帰に各企業はどのような対応を行ったのか、レジリエント(強靭)な企業経営についても着目し、研究を行った。2023年度はこうした研究成果を国内・海外で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナからの復調を目指し、ブラジル政府は自動車産業復興に力を入れることにした。2024年度はブラジルの自動車産業復興の状況と金型産業への影響について研究を進めたい。また日本、世界の自動車産業・金型産業がどのように新型コロナから復興するのかについても比較研究を進めていきたいと考えている。また、ブラジル金型企業はポルトガルの金型技術からも金型技術を学習した。ブラジル金型産業の発展の源流の一つとして、ポルトガルの金型産業についても調査研究を行いたいと考えている。そして、これらの研究成果については国内外の学会・専門誌などで広く公表していきたいと考えている。
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