研究課題/領域番号 |
18K01957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 拓殖大学 (2019-2022) 秋田大学 (2018) |
研究代表者 |
藍澤 淑雄 拓殖大学, 国際学部, 教授 (20722317)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アフリカ / 生計手段 / 社会的決定要因 / 零細鉱業 / 採鉱資源の希少性 / 生計リスク / 社会的結びつき / モビリティ / 脱領域性 / 零細鉱業者の多様性 / 地域とのかかわり / 地域への定着 / 社会的利益 / 定住・非定住者 / 専業・兼業鉱業者 / 社会・経済リンケージ / 地域への社会参加 / 地域とのつながり / 鉱山コミュニティ / タンザニア |
研究実績の概要 |
本研究はアフリカ農民が零細鉱業に従事する社会的決定要因を明らかにすることを目的としている。2022年度は、零細鉱業者による採鉱資源の選択に着目しながら研究を進めた。採鉱資源の選択によっては生計を不安定にする可能性があり、零細鉱業者にとってその選択が極めて重要になると思われる。希少性の高い、例えば金鉱石の採鉱労働者は、物理的リスクと生計リスクを負いながら採鉱活動を続けている。ひと山あてたときのリターンの大きさに期待しながら、リスクを負いながらも採鉱活動を行なっているものと思われる。しかしそれだけのモティベーションで採鉱活動を続けられるかという疑問は残る。金鉱石を掘り当てなければ、その期間の分だけ機会費用が生じ生計リスクが高まることから、破綻の方向に向かうことは容易に想像できる。また、逆に希少性が低い資源の場合はリターンが小さく、あえて物理的、財政的リスクを負ってまで、採鉱活動にかかわろうとは思わない可能性がある。しかし希少性の低い、例えば工業鉱物の採鉱活動を続けている零細鉱業者は数多くいる。そこではリスクとリターンを天秤にかけながら採鉱に従事するかを判断する必要性が生じているものと思われる。そこで、2022年度からは、希少性の高い金の採鉱と希少性の低い工業鉱物に着目することにより、その選択に至った社会的要因を明らかにすることに研究の重点を置いている。この視点からの成果とりまとめが現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究はフィールドでの社会調査を重視しており、研究の付加価値をその結果と分析に求めている部分が大きい。したがって過去3年の新型コロナ拡大は調査の遂行を阻み、大きな痛手となったきた。2021年度と同様に、2022年度についても、所属機関では海外における研究が推奨される状況ではなかったことと、タンザニアの研究フィールド滞在における安全性確保が不透明であったことから、現地調査を延期せざるを得なかった。したがってこれまで現地に向かわなくてもできる作業を行ってきた。スピード感は鈍っているものの、成果を出す方向で分析や取りまとめは進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度においてもタンザニアのフィールド滞在における安全性について考慮・判断しつつ、研究を続行する。過年度までは主にタンザニア北部のビクトリア湖南部(ゲイタ州)を事例として分析を行っていたが、今年度からは同国中央部(モロゴロ州)を対象とすることとした。北部は金鉱石の採鉱ポテンシャルが高い地域であったが、採鉱資源の選択という視点からは、金鉱石以外を選択する零細鉱業者がほとんどいなかった。このため分析対象としては妥当ではないと判断した。中央部では、零細鉱業者が希少性の高い金の採鉱と希少性の低い工業鉱物の採鉱を行っている。それらに着目することにより、その選択に至った社会的要因について明らかにしていく予定である。
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