研究課題/領域番号 |
18K01961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鶴巻 泉子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (70345841)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 国境地域 / 移民研究 / ムスリム移民 / マイノリティ・ナショナリズム / カタルーニャ / カタルーニャ主義 / ナショナリズム / 人種化 / 宗教的人種化 / ムスリム / イスラモフォビア |
研究成果の概要 |
「移民がもたらした社会問題」として争点化されたイスラムは、フランスでは国家の価値規範に関わる政治テーマと認識されるのに対し、スペインでは地域ごとの個別争点となっている。フランス側カタルーニャでは、カタルーニャ性称揚はフランス性の補完でありかつ個人のエスニックな属性として現れ、ムスリムとカテゴライズされた人々を分断するのに対し、スペイン側では、カタルーニャ主義が移住者包摂の公式の文化的イデオロギーとして、積極的に強調されている。しかし、文化実践ではなく政治実践を見ると、「ムスリム」たちは地域政治の「正統なメンバー」とは見なされず、カタルーニャ主義の担い手とはなっていないことが窺われる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マイノリティ・ナショナリズム研究、地域主義研究の中で、カタルーニャは頻繁に研究の事例とされる一方、スペイン・フランス両側のカタルーニャを分析し、その中での移住者の包摂とカタルーニャ性の関連を比較する研究は殆ど存在しない。国民国家を単位とする従来の伝統的研究視角に、本研究の国境を越えた比較を加えることで、移住者を取り巻く様々な社会的相互作用や、各国ごとの「イスラム」表象の差異、そして現在の西欧社会における国民社会の多層化と変容について、新しい分析視角が開かれると思われる。この事例研究を通して、地域主義研究と移民研究双方を繋げる新しい分析視点を提案できると考えられる。
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