研究課題/領域番号 |
18K01985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | ノートルダム清心女子大学 |
研究代表者 |
二階堂 裕子 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (30382005)
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研究分担者 |
駄田井 久 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (60346450)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 外国人技能実習生 / 環境保全型農業 / ベトナム / 技能移転 / 国際労働力移動 / 過疎地域 / 技能実習生送り出し地域 / 外国人技能実習制度 / 環境保全型農漁業 / 外国人労働者受け入れ政策 |
研究実績の概要 |
今年度は、これまで継続してきた農業分野で就労するベトナム人技能実習生に関する調査に加えて、他の分野で就労するベトナム人以外の外国人を対象とした調査を行なった。調査対象の拡大によって、農業分野での就労やベトナム出身の技能実習生の特徴が明らかになるとともに、今後追究すべき論点がいくつか浮かび上がってきたことが大きな収穫であった。 まず、香川県の農業事業所で就労するベトナム人技能実習生について再調査を実施した。この調査で興味深かったのは、その農業者のもとで技能実習を終えて帰国したベトナム人が、修得した環境保全型農業の知識と技能を活用して母国で成功を収めていること、さらに彼が自分の農園で働く従業員に対して、かつて就労した農業者のもとで技能実習生として働くことを勧め、それが実現していることである。こうした技能実習生の「就労の連鎖」が生じた要因として、農業者と技能実習生が協働関係を取り結び、環境保全型農業の技術に加えて、農業経営の「考え方」を真摯に指導したことが考えられる。 これに加えて、岡山県と島根県の介護施設で就労するミャンマー人、高知県の農業事業所で就労するフィリピン人、長崎県の漁業事業所で就労するインドネシア人を対象にそれぞれ調査を行なった。いずれも受け入れ事業所も過疎化が深刻な地域にあり、技能実習生への依存度がきわめて高いことから、今後も外国人から「選ばれ続ける」ことなしに事業の存続が図れないという逼迫した状況にあった。こうした危機感が、受け入れ側による就労・生活環境の整備に向けた努力にもつながっていた。 これまでの研究活動より、技能移転のための条件として、受け入れ事業者と技能実習生が剥奪状況などを契機に信頼関係を構築すること、また、技能実習生を送り出す特定の地域と受け入れる特定の地域が有機的・持続的な関係を結ぶことなどが見出せた。今後、これらの仮説の検証に取り組みたい。
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