研究課題/領域番号 |
18K02011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
中力 えり 和光大学, 現代人間学部, 教授 (50386520)
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研究分担者 |
定松 文 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 教授 (40282892)
中島 崇文 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (90386798)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 移住労働者 / 循環移民 / 国籍 / 家事労働 / モルドヴァ / EU / イタリア / EU / 社会学 / 移民 / 東欧 |
研究実績の概要 |
今年度は、2023年9月にイタリアのボローニャで、研究代表者と研究分担者全員で現地調査を行った。2024年2月には研究分担者の中島が、ジュネーブのILO本部でコロナ禍の女性への影響について聞き取り調査を行った。 ボローニャでの調査では、主にモルドヴァ出身の神父がいるルーマニア正教会に集うモルドヴァ出身者に対して聞き取り調査を実施した。今回の調査では、日帰りの巡礼にも同行して、参加者に対しての聞き取り調査と参与観察を行うことができた。神父やその妻、そして1.5世代の若者が次世代育成のために結成した団体の代表にも聞き取りを行った。その結果、教会が中心となってモルドヴァ出身の移住者たちの行政手続きを手伝ったり、精神面も含め、安定した暮らしが営めるようにさまざまな支援を行ったりしていることが確認できた。 送り出し国であるモルドヴァで2018年度に実施した調査では、移住に伴う負の側面が語られることが多かった。しかし2023年度の受け入れ国であるイタリアでの調査では、長期間滞在し、家を購入するなど安定した生活を送り、家族統合も果たしている移住者が、移住に伴う苦労だけでなく、正の側面を強調する様子も多くみられた。国籍については、ルーマニア国籍を取得している人が実際多くいること、さらにはイタリア国籍を取得した(しようとしている)人が複数いることも確認できた。子の世代では、大学を卒業し、他のEU諸国に移住して、滞在国の国籍取得を目指している人もいた。 本研究では、コロナ禍の影響で現地調査を毎年のようには実施できなかったが、ビデオ会議システムを使用した研究会で、日本だけでなくモルドヴァからも専門的な知識の提供を得ることができ、最新の状況などについて知見を深めることができた。本研究の成果は、学習院女子大学国際学研究所で2024年1月に開催されたセミナー(「越境するヨーロッパの人々」)で報告した。
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