研究課題/領域番号 |
18K02026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
串田 秀也 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70214947)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 診療 / 会話分析 / 医学的に説明のつかない症状 / 医療社会学 / コミュニケーション / 受診の正当化 / 診療場面 / 処置決定 / 門番機能 / 抵抗 / 総合診療 / 不満 / MUS / 医療 |
研究成果の概要 |
本研究は、医学的に説明のつかない症状を持つ患者と医師との相互行為における2つの実践を記述した。第一は、受診理由を説明するときの患者の実践である。患者が受診に正当な理由があることを示すうえで過去の医療への不満は重要な要素だが、これは理性的な患者としての自己像を損なう可能性もあるため、患者は語るタイミングや語り口を慎重に選んでいた。第二は、患者の抵抗に対処しながら治療方針を勧める医師の実践である。医師が病院での専門的治療ではなく経過観察やかかりつけ医での治療を勧めると、患者はしばしば抵抗する。医師は患者との合意に至るために、抵抗の種類に応じて説得の仕方や譲歩の仕方を系統的に選択していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代医学はめざましい進歩を遂げたとはいえ、説明できない病気も依然として多い。患者の訴える症状が医学的に説明できない場合、診察室でのコミュニケーションは両者にとって困難な経験となる。本研究は、診療場面における患者と医師の実際のやりとりをビデオに録画して子細に分析することで、両者がどのような種類の困難に直面し、やりとりを前に進めるためにどんなコミュニケーション上の工夫を行っているかを明らかにした。本研究の成果は、医学教育においてより「患者中心の」コミュニケーションのあり方を教育するヒントを提供することで、医師のコミュニケーション能力の底上げに役立つだろう。
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