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戦後文化運動に見る地方都市の光芒-北九州八幡製鉄所における職場雑誌からの検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K02036
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関北九州市立大学

研究代表者

西田 心平  北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (00449547)

研究分担者 川口 隆行  広島大学, 教育学研究科, 准教授 (30512579)
楠田 剛士  宮崎公立大学, 人文学部, 准教授 (20611677)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 交付 (2018年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード戦後文化運動 / 北九州 / 八幡製鉄所 / 職場雑誌 / サークル誌 / 文化運動 / 八幡製鉄
研究実績の概要

本研究の背景をなすのは、これまで行政学や経済学などの視点から語られることが多かった北九州市の都市づくりの系譜を地域文化の側面から捉え直し、同市を一事例とした今後の地方都市のあり方を探りたいという関心である。そのために、北九州における一大企業である八幡製鉄所が発行してきた職場労働者の親睦雑誌『製鉄文化』の読解を通して、北九州圏に形成されてきた文化的側面の系譜を明らかにすることを課題とする。これは近年の戦後文化運動研究の中でも、とりわけ企業と労働者と文化との関係に注目するものであるという点で、きわめて新しい視座を含む。
初年度となる2018年度の主な研究目的は『製鉄文化』を研究することの意義について、共同研究者および研究協力者との間であらためて共通認識をはかることであった。というのも、本研究が扱う対象は、これまでの戦後文化運動の研究が対象としてきた左翼系の雑誌と次の2点において大きく性格を異にするからである。つまり、①大企業から発行された雑誌であること、②戦後の一時期でなく約50年間にわたって発行され続けた雑誌であること、である。こうしたことから、研究者の間でまずは研究対象に即した視座を共有することが重要であるということから本研究をスタートさせることになった。
今年度の成果を一言でいえば、「左翼系雑誌からは見えない現実」を浮かび上がらせることが同雑誌を読解することの意義であることを共有できたことである。つまり、日本の高度成長期以降、地方都市において支配的な文化がどのように確立されてきたのかを明らかにできるという可能性に着目できるようになったことが本年度の最大の成果であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書では同年度は主に『製鉄文化』の収集とそのデータ化(各号目次一覧、作者・作品のリスト化等)としていた。だが、まずは同雑誌を対象とすることの意義を大きくつかむという主旨から、当初は次年度以降に予定していた同雑誌の読解作業を前倒しで実施することにした。結果的に、同年度のうちに全179号までのうち約100号分までを読了し、研究者間でその内容を共有することができた。同雑誌の収集(図書館等でのデジタルカメラ撮影、書店等での購入)についてはほぼ終了しており(所蔵が不明のものが8号分存在する)、データ化についてもその一部(目次に現れていない短詩系の作者のリスト)はほぼ完成させている。同年度に予定していた各号目次一覧や作者作品のリスト化については当面はデジタルカメラで撮影した目次にて代替できることから、研究を進める上で支障はない。以上のような状況から、現在までの進捗を「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

今後も引き続き、現在浮かび上がっている同雑誌研究の可能性を踏まえながら、ひとまずは研究者間で最終号(179号)までの読解作業に務めたい。その上で、個別の論点、例えば『製鉄文化』の作品内容とその書き手である職場労働者の所属部署・役職等との関係、または八幡製鉄所内での労使関係の変遷とのかかわり、あるいは北九州圏域(筑豊を含む)の他の文化運動やサークル誌との比較の作業を掘り下げていきたい。その一環で『製鉄文化』やその他、北九州圏のサークル誌のかつての書き手へのインタビュー調査なども必要になってくると考えられる。

報告書

(1件)
  • 2018 実施状況報告書

研究成果

(9件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 学会発表 図書

  • [雑誌論文] 「地域と向き合うこと」への道程ー教育的な視座のために2019

    • 著者名/発表者名
      西田心平
    • 雑誌名

      基盤教育センター紀要

      巻: 32号 ページ: 19-33

    • NAID

      40021943526

    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] 来るべき協同作業にむけた覚え書き―三者への短い応答―2018

    • 著者名/発表者名
      川口隆行
    • 雑誌名

      原爆文学研究

      巻: 17号 ページ: 34-37

    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] 『〈原爆〉を読む文化事典』の編集を振り返る2018

    • 著者名/発表者名
      川口隆行
    • 雑誌名

      日本近代文学

      巻: 98号 ページ: 251-258

    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • オープンアクセスとしている
  • [雑誌論文] 「炭鉱と原爆の記憶」を考える2018

    • 著者名/発表者名
      楠田剛士
    • 雑誌名

      原爆文学研究

      巻: 17号 ページ: 38-43

    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 四國五郎のシベリア抑留体験――表現と運動の軌跡2018

    • 著者名/発表者名
      川口隆行
    • 学会等名
      日露国際学術ワークショップ「戦後モンゴルとシベリアにおける日本人抑留者」
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 山代巴の表現と運動――『原爆に生きて』にみる社会運動と文化生産の問題2018

    • 著者名/発表者名
      川口隆行
    • 学会等名
      第87回民衆思想研究会
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 50年代サークル運動研究と原爆文学研究をつなぐ2018

    • 著者名/発表者名
      川口隆行
    • 学会等名
      「アメリカ問題、東アジア冷戦文化研究の現状と課題」
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • 国際共著/国際学会である
  • [学会発表] 炭鉱と原爆の記憶―文化運動・被爆朝鮮人・遺構から考える―2018

    • 著者名/発表者名
      楠田剛士、岡村幸宣、奥村華子、木村至聖
    • 学会等名
      第56回原爆文学研究会
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [図書] 運動の時代(『戦後日本を読みかえる』第2巻)2018

    • 著者名/発表者名
      坪井秀人、川口隆行他
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      臨川書店
    • ISBN
      4653043922
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書

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公開日: 2018-04-23   更新日: 2019-12-27  

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