研究課題/領域番号 |
18K02039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
高橋 桂子 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (50311668)
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研究分担者 |
倉元 綾子 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (20225254)
笠井 直美 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (20255243)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 父親の家事参加 / 幼児の非認知能力 / 大学生のmoney management / 家族からの経済社会化 / 直接的教え / 間接的教え / 大学生のキャリア意識 / インタビュー調査 / dinner table / 父親 / 家事・育児参加 / 子 / 非認知能力 / 好奇心 / パス解析 / 父親の育児参加 / 父親の養育態度 / 拡散的好奇心 / 知的好奇心 / 家事参加 / 子ども / 挑戦心 / 収入格差 / 二次関数 / キャリア志向 / プロセスモデル |
研究実績の概要 |
・2019・20・21年度、それぞれ11月に同一施設(新潟県長岡市の幼稚園、福岡県福岡市の幼稚園と保育園)・同一調査票で実施した父親アンケート調査(「父親の家事参加が子の非認知能力に与える影響」)の3年データをプールした量的分析を行った。重回帰分析から、好奇心、特に特殊的好奇心は父親の家事参加頻度が高いほど、統計的に有意に子の特殊的好奇心も高い、という結果を得た。一方で、我慢強さ、挑戦心などの非認知能力は有意な結果を得られなかった。この分析結果は、2023年3月にシンガポールで開催された国際学会(ICHSSBM)で口頭発表を行った。 ・2021年度に大学生を対象として実施したインタビュー調査から、父親と一緒に料理や掃除をしているとき、父親からオカネのこと、小遣い管理の仕方や株主優待に関する話を聞くチャンスがある、ということが明らかになった。そこで父親や祖父母など家族からの経済社会化に注目し、育ちの中で直接的、間接的にどのような教えがあったか、それが大学生のmoney managementにどのような影響を与えているか、ヒアリング調査を実施した(実践女子大学、西南学院大学。それぞれの所属大学で研究倫理審査委員会から承認を得た)。方法はZOOM、調査人数は前者が13人、後者は14人、学年は大学1-4年生、1人あたり1~1.5時間であった。その結果、親世代からの直接的間接的な教えは、小遣いをもらい始めた小学生時代には具体的にあったが、中学生以降はほとんどないこと、間接的な教えとして子は親の家計管理の仕方を注意深く観察していること、親のオカネに関する何気ない会話をよく聞いていること、家族でオカネに関する話をすると回答したのは27人中3人、などが明らかになった。東京のインタビューケースについて2023年5月 FERMA(Web開催)に口頭発表でエントリーしてacceptされている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、①保育園児・幼稚園児を対象としたアンケート調査(第4回目)、②大学生を対象とした、父親の家事参加が大学生のキャリア形成意識に与える影響に関するヒアリング調査(継続)、③大学生を対象とした、父親の家事参加がmoney managementに与える影響に関するインタビュー調査とアンケート調査、の3点を予定していた。 ①は3ヶ年のプールデータを分析する過程で、量的分析に耐える十分なデータを確保できていることが判明した。また同一幼稚園を対象に幼児の経済認知に関するインタビュー調査をスタートさせたこと(本経費とは別)などから、2022年夏の時点で父親を対象とするアンケート調査を依頼しない決定を行った。②と③は一緒にしてインタビュー調査を実施した。③のインタビュー調査はまだ飽和状態に達しておらず、アンケート調査票の設計には至らなかった。2023年度もインタビュー調査を継続し、飽和状態に至ることが目標である。
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今後の研究の推進方策 |
①大学生インタビュー調査の継続:2022年度は本研究メンバーが勤務する東京と九州に立地する大学を対象に実施した。オカネ文化に関しては日本国内に地域性があること、オカネに関する経済社会化は幼児期・学童期を中心に行われることに着目して、2023年度は「立地」ではなく「出身」を切り口としたインタビュー調査を行う。具体的には、値切り文化を持つ大阪府出身者、三方良し文化を持つ滋賀県出身者、婚姻などで豪華主義文化を持つ愛知県出身者、である。ただし調査協力者の募集は、すでに研究倫理審査に通っている当該2大学(東京と九州)で行う。 ②この5年間で収集したデータを分析し、その都度、学会発表は国内外で行っているが、論文という形にはなっていない。2023年度は論文執筆を行う。
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