研究課題/領域番号 |
18K02041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
飯島 祐介 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (60548014)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ハーバーマス / 公共性の構造転換 / 時間・歴史構造 / シェリング / 歴史 / ブロッホ / 社会学 / ユートピア / ハイデガー / マルクス主義 / 市民的公共性 / 世界時代 / シェリング論 |
研究成果の概要 |
ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』(1962年)は、市民的公共性の解体傾向の認識とその再生への期待との相反によって引き裂かれた作品として理解されてきた。本研究は、この矛盾・分裂にも関わらず、それを整合的・統一的に読むことは可能かという問いを設定した。本研究は、同時期のシェリング論を前提にすることで、それが可能であることを明らかにした。ハーバーマスは、もうひとつの神(=人類)の自由の濫用による腐敗から、他ならぬそのもうひとつの神(=人類)の再起によって解放されるという論理を、シェリングに読み取っていた。この論理によって『公共性の構造転換』は構造化されており、上述の矛盾・分裂は解消される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アクセル・ホネットを中心とする現代批判理論は、今や規範的成果をもたらしてきたメカニズムが、同時にその失効をもたらすメカニズムにもなっていると主張する。この主張によって、現代批判理論は目指すべき社会像を喪失しかねない事態に陥る。本研究は、この事態に対して、ハーバーマスの『公共性の構造転換』を立ち返るべき遺産のひとつとして提示した。すなわち、本研究は、『公共性の構造転換』が、退歩をもたらすものこそその退歩を取り戻しうるという論理によって構造化されていることを、そのかぎりで上述の事態に対するありうべき応答のひとつを内包していることを明らかにした。
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