研究課題
基盤研究(C)
本研究は、和ハッカ「ほくと」の脱メントール精油およびその抽出残渣のもつ新たな機能性として、消臭効果と抗菌作用に着目して寄与成分の特定を目指すものである。 消臭効果に関しては、脱メントール精油および蒸留残渣ともに有しており、特に後者は広範な悪臭に対して効果を示した。抗菌作用に関しては、残渣抽出物の口腔内細菌に対する抗菌作用を測定した。その結果、歯周病菌に対してとくに効果を示し、その寄与成分としてスダチチン、デメトキシスダチチンおよびクリソエリオールの3化合物を特定した。いずれも、ハッカからは初めての報告となる。本研究により脱メントール精油および蒸留残渣の新たな機能性を明らかにすることができた。
香りは、我々のQOLを高める重要なツールである。無臭を支持する文化のあるわが国では、消臭を意識したデオドラント製品の需要は高い。この様な製品には消臭活性成分として銀イオンが用いられているが、消費者の天然由来成分を望む声が大きい。本研究では、その課題をクリアすべくハッカの精油とその抽出残渣に着目し、デオドラント製品の素材になり得ることを示すことができた。とくにハッカは、メントールを供給する植物として今後も世界的な需要拡大が予測され、それに応じて脱メントールされた精油や精油抽出残渣は有効活用に関しても取り組みが必要になると考えられる。したがって、本研究の結果は今後大いに役立つものと考えている。
すべて 2021 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (4件)
Journal of Agricultural and Food Chemistry
巻: 69 号: 3 ページ: 1020-1026
10.1021/acs.jafc.0c06634
Food Chemistry
巻: 312 ページ: 126081-126081
10.1016/j.foodchem.2019.126081
Food Research International
巻: 136 ページ: 109334-109334
10.1016/j.foodres.2020.109334
Journal of Food Science and Technology
巻: 57 号: 1 ページ: 134-142
10.1007/s13197-019-04038-4
巻: 304 ページ: 125403-125403
10.1016/j.foodchem.2019.125403
Experimental and Therapeutic Medicine
巻: 19 ページ: 1585-1593
10.3892/etm.2019.8394
Journal of Oleo Science
巻: 68 号: 7 ページ: 671-677
10.5650/jos.ess19023
130007670885
巻: 125 ページ: 1-11
10.1016/j.foodres.2019.108551
巻: 310 ページ: 125909-125909
10.1016/j.foodchem.2019.125909
日本食品保蔵科学会誌
巻: 45 ページ: 1585-1593
40021946673
Journal of Essential Oil Research
巻: 30 号: 6 ページ: 431-436
10.1080/10412905.2018.1494045