研究課題/領域番号 |
18K02279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
石野 秀明 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (80346296)
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研究分担者 |
下里 里枝 関西国際大学, 教育学部, 准教授 (60782183)
川口 めぐみ 高松大学, 発達科学部, 准教授 (50815785)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 特別な配慮を必要とする園児への教育・保育 / 認定こども園 / 個別の教育及び保育支援計画及び個別の指導計画 / 園内委員会 / 特別支援教育コーディネーター / 看護師 / 新型コロナウイルス感染症 / 行事の意味 / 子どもの主体的な育ち / 保護者と地域の理解 / 公立と私立 / 認定こども園、保育所、幼稚園 / 私立保育所 / 私立幼稚園 / 移行前施設の違いによる課題と対応 / 3歳未満児保育 / 保育内容の見直し / 移行過程における課題と対応 / 1号認定児と2号認定児 / 3歳児保育 / 私立保育所と私立幼稚園 / 保護者 / 環境構成の工夫 / 保育の可視化 / 移行過程における課題と改善策 / 保育効力感 |
研究実績の概要 |
子ども・子育て新制度の実施を機に、保育所や幼稚園から移行するかたちで、認定こども園の数が急増しており、移行過程での課題と対応策について検討を行ってきた。申請後、子どもを巡る状況の急激な変化により、「特別な配慮を必要とする園児への教育・保育」の重要性が一層高まっており、現場での実践の実態を把握すべきだと考えた。 「特別な配慮を必要とする園児への教育・保育」については20年弱をかけて体制の整備が進められてきた。平成19年には「障害者の権利に関する条約」を批准し、平成23年には「障害者基本法」の一部改正、平成25年には「学校教育法施行令」の改正が行われた。以上を受けて、現行の「幼保連携型認定こども園・教育保育要領」が編まれている。 そこで、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説」を中心に、「特別な配慮を必要とする園児への教育・保育」に関する記述を抽出し、現場経験を有する共同研究者と共に、項目を作成した。全国の認定こども園2000園をランダムに抽出し、調査を行った。 主な結果としては、①特別支援教育コーディネーターについては、常勤・非常勤を含めても31.59%であり、先行研究を下回る結果になった。②看護師については46.47%であり、配置が進みつつあることが推察された。③個別の教育及び保育支援計画及び個別の指導計画については、いずれも84.71%の作成率であり、先行研究に比べて広がりを見せている。特に小学校との連携において活用が進んでいることが窺えた。④園内委員会については、実施率が46.47%であり、先行研究を下回る結果となった。専門的な助言や援助を受ける機会は3割程度と限られている実態が明らかになった。 得られた知見は、2023年度の学会で発表予定である。今後、設置主体、移行前施設の違いによる違いについて、分析、検討を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時は、認定こども園への移行に伴う課題と改善策について、調査項目を作成することを予定していた。しかし、子ども・子育て新制度の度重なる改定、幼児教育・保育無償化、新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、当初想定していた移行時の課題よりは、現在の社会状況を反映した数多くの課題が、現場において切実なものとなった。 調査が実施できないという外的な問題もさることながら、公的資金を用いることが適切で、実践に資する内容で、学知において問う価値のある課題の見極めに時間を要した。2022年度は、2021年度の研究と、今般の教育政策の動向も踏まえ、ICT化と特別支援教育・保育に焦点を絞り、課題と対応を整理した上で、量的研究の調査項目を作成した。特別支援教育・保育については調査の実施及び基本統計の分析までを終えた。 以前ICT化についての調査が実施できていないことと、特別支援教育・保育についての研究成果の発信が十分でないため、現在までの進捗状況を「(3)やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究の過程で見いだされた知見については、学会発表や研究論文等の媒介を通じて、積極的に情報発信をしていく。まずは、「特別な配慮を必要とする園児への教育・保育」における園内体制について、2023年度の日本保育学会第76回大会で発表予定である。さらにこれまでの学会発表も含めて、学術誌や紀要論文への投稿を目指していきたい。
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