研究課題/領域番号 |
18K02411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
金子 真理子 東京学芸大学, 先端教育人材育成推進機構, 教授 (70334464)
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研究分担者 |
三石 初雄 東京学芸大学, 先端教育人材育成推進機構, 名誉教授 (10157547)
坂井 俊樹 開智国際大学, 教育学部, 教授 (10186992)
原子 栄一郎 東京学芸大学, 環境教育研究センター, 教授 (70272630)
小林 晋平 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70513901)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | カリキュラム / 教育の目的 / 教育目的 / 理科 / 社会科 / 環境教育 / 教員養成 / 未来のカリキュラム / コロナ禍 / 教科学習 / 教科内容 / 学習目的 / 教科書 |
研究実績の概要 |
今年度は、過去や現在のカリキュラムを検討しながら、私たちが支持しうる「未来の社会」へとつながるカリキュラムについて考え、『「未来のカリキュラム」をどう創るか』という書籍にまとめた。羅針盤にしたのは、「未来のカリキュラム」という概念である。M.F.D.Young(訳書2002『過去のカリキュラム・未来のカリキュラム-学習の批判理論に向けて-』)によれば、「未来のカリキュラム」の概念は、「未来の社会の概念、それを作りだし維持するためのスキル、知識、姿勢、そしてこのような社会を現実的に可能なものとするような、知識の諸形態間の関係」を含んでいる。それゆえに、カリキュラム論争は、「異なる目的をめぐるものであり、私たちが21世紀に期待する各々に多様な社会観」をめぐる論争となる。 以上の概念は、私たちの問題の射程をカリキュラムそのものから、そこに埋め込まれた目的へ、さらには、新たなカリキュラムを創ったり変革したりする営みの検討へと広げてくれた。1章では小林が、主観を重視した物理・理科の教育実践を、2章では坂井がこれからの地球社会に向き合う歴史・社会科の教育実践を、それぞれ提案した。3章では三石が、西表島の教師が取り組んだ「ヤマネコ学習」を紹介・分析し、それがどのような教育内容と方法ならびにカリキュラム論を背景として生まれたのかを検討した。4章では原子が、現代環境教育の世界標準であるESD(持続可能な開発のための教育)の根本課題を「持続不可能な社会を支えている教育を考え直し、その向きを変えること」ととらえ、その具体化を環境教育の視点から考察した。5章では金子が、イギリスの科学の教科書を事例に、「未来のカリキュラム」が構想され、具現化され、変容していった社会的プロセスを追うことで、「未来のカリキュラム」をどう創るか、それをどう維持できるのか、カリキュラムを決めるのは誰か、という問題に迫った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究があえて問うてきたのは、いま学校で教えられている教育的知識が、子どもが生きていく上で糧となるような、価値ある知識になっているだろうか、ということだ。これは、知識の多寡というより、どのような知識が何のために必要とされているかという、知識の質、その目的や方向性、そして機能に関する問題である。本年度は、以上の問いをめぐり、研究会を毎月定期的に開催するとともに、これまでの研究成果を書籍として刊行した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、共同研究者の間で活発な議論のもと、これまでの研究成果を書籍として刊行した。次年度は、公開研究会を通して読者と意見を交流し、それをもとに本研究の知見を整理してまとめていく。
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