研究課題/領域番号 |
18K02444
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鶴崎 俊哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20197768)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 運動学習 / ハイハイ / 動作分析 / コード化 / 発達 / 発達遅滞 / バリエーション / ハイハイ動作 / 乳幼児 |
研究実績の概要 |
令和5年度は,新型コロナウイルス感染拡大防止処置により令和4年度までに予定を消化できなかった縦断的研究を可能とするための研究協力施設の確保ならびに分析のための動画撮影を中心に研究を実施する予定であった。保育園・こども園3施設から研究協力の承諾を得られ,新型コロナウイルス感染も5類に移行したが,インフルエンザをはじめとした複数の感染症が頻発し,新たなデータとなる動画撮影および追跡調査がかなわなかった。 既存データを用いて解析を進め英語論文を4編のうち1編はEarly Child Development and Careにオープンアクセスで採用されたが,査読者から高い関心を集めながらも対象数の不足を指摘され採用に至っていない。 しかしながら,投稿先の変更と投稿内容の修正を重ね,現在1編が採用まじかとなっている。 論文の内容は,乳児期にハイハイ動作を2週間に1回以上独歩獲得まで観察できた対象のうち、さらに3歳から5歳の追跡調査が可能であった幼児に対しDENVERⅡを用いたスクリーニングを行い,定型発達児と発達に遅れの疑いがある児に分けた。定型発達児では,ハイハイを経験した児と経験しなかった児の間に観察できた動きのバリエーション数に差が認められたが,遅れの疑いがある児では差が認められなかった。さらに発達に遅れの疑いがある児では,観察される運動のバリエーションの総数が定型発達児に対して少ないことを報告したものである。これにより,コード化というハイハイ動作の分析手法が発達に課題を持つ乳児の早期発見に寄与できる可能性を示した。ただ,現時点では対象数を十分に増やすことができず,スクリーニングで発達の遅れが疑われた例はさらに少ないため,対象数を増やすことが課題となっている。 また,動画の撮影と編集,その分析に手間と時間がかかる方法のため,より簡便な分析方法の考案が必要と考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度の当初予定では,対象を極力増やすために動画撮影期間を延長ならびに研究協力施設の追加を検討していたが,新型コロナウイルスが5類に移行したにもかかわらずインフルエンザ等の感染症が発生したために継続的な撮影ができなかった。 これまでの研究過程の中で,動画の撮影時期が2週間以上空くと観察できる動きのバリエーション数に影響するため,新規のデータ採取を断念せざるを得なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の進め方として,本研究で用いているコード化による動作分析手法では,観察項目が多く細かな分析が可能となる一方,日常的な使用については煩雑となるため,項目間の関連性等について既存データを用いてより詳細な分析を行い,分析手法の改良に取りかかっている。 具体的には,コード化に用いる分析基準の項目を順次削除したコードでも既存の論文と同じように定型発達児と発達に遅れの疑いのある児の間に相違が認められるかを数多くの組みあわせについて検証している。 この作業を進め,分析基準の簡易版を作成し,バリエーション数の変化が現行のものと同程度観察できるように既存データの再分析を行う。
|