研究課題
基盤研究(C)
本研究は、「北方圏の風土を生かした資質・能力育成の基盤研究:北欧との造形教育交流と比較から」という題名である。フィンランドと北日本(秋田)の生徒の造形教育の交流美術展の開催を通し作品制作を行うことで、「北方圏に共通して見られる文化を学ぶこと」(一般的共通性)、「北日本とフィンランドに見られる差異を通して自己の地域を見つめ直すこと」(地域的特殊性)の両方の視点を行き来することでふるさとや自分を深く見つめアイデンティティの育成につなげることができるという仮説の基に実践(交流展開催など)し研究の深化を図った。相互交流実践過程や成果物などの内容を分析し質的な内容について深化する方法を明らかにした。また本研究の基礎である美術教育交流展の指導の深化を図った。毎年の展覧会のテーマの工夫を行った。令和元年度は「ふるさとへのまなざしーくらし、自然、文化、祭りー」。令和2年度は、「おたがいのアートとデザインをモチーフとして」令和3年度は、「“HOME”」をテーマに、令和4年度は、新型コロナ禍を乗り越えフィンランドから教諭4名を招き交流展を「旅を夢見る」というテーマで開催することができた。相手国を旅することを夢見ながら作品制作を行った。令和5年度は、フィンランドで開催した。テーマを「ワンダークリーチャー 未来をかなえる力」とし、これからの世界の問題解決に必要な力を持つ未知の生物を両国の生徒が創造する活動とした。残念なことに新型コロナ禍の影響で北方圏ならではの様々な見方・考え方を裏付けるために実施予定していた風土や郷土に関する生徒の意識を捉える質問紙調査が不可能となり、数値的分析による質的内容の深化を裏付ける研究に至らなかった。上記の実践を重ね試行することで、今後のフィンランドとの交流を通した研究において、実践で得た効果的な郷土のアイデンティティ育成につなげる視座を築くことができた。
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日本美術教育研究論集
巻: 57 ページ: 81-88
BULLETIN OF JSSD Vol. 67 No. 4 2021 デザイン学研究
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日本美術教育研究論集 = Japanese journal of art education
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