研究課題/領域番号 |
18K02615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
松本 康 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (60229581)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 主権者教育 / 政治的リテラシー / 調査研究 / 公民教育 |
研究実績の概要 |
今年度は昨年度と同様に,2年目(R1年度)に行った大学生の政治的リテラシーに関する質問紙調査(調査1)のデータ,追加で行った質問紙調査(調査2)データの再検討を行った。 <方法>9つの要因(1.属性,2.学校教育,3.家族・友人・知人,4.政治的経験,5.メディア,6.政治的知識,7.意識・技能・態度,8.価値,9.意思決定)を設定し,質問項目を構成した。調査1,2の調査対象は長野県の2つの大学における18歳以上の男女大学生計259名。調査時期は調査1が2019年7月。調査2が2020年1月。調査1,2の合計は360名。 <結果>調査1の結果を補完する結果となった。小中高の「政治学習の学習方法」は講義法が最も多い。小中学校では活動的な学習も一定程度なされている。政治的な争点や実際の政策を扱う授業は高校で増加。「政治的な問題や政策について話し合った機会」は全体的に少なく,話し合う相手は家族,友達,先生,の順。「リーダー経験・政治に関わる経験」では,学校内のリーダー経験が中心で,実際の政治に関わる機会は少ない。「よく利用するメディア」はSNS,テレビ,ニュースサイトの順に多く,「選挙・政治にかかわる情報源」はテレビ,SNS,新聞の順。「政治的知識」のうち説明できるものは8項目中「基本的人権」「選挙の意味」のみで,特に「政党の政策」「日本の政治家」が説明できない。 <要因間の関係>「政治的な問題・政策について話し合った」「子どもの時,投票日に親と一緒に投票所に行った」「リーダー経験・政治に関わる経験」「政治的ポジティブ度」の4項目と「選挙で投票した経験」に有意な関係が見られた。「政治・選挙の情報源」「政治的知識」と「選挙で投票した経験」には有意差が認められなかった。「政治的ポジティブ度」「選挙で投票した経験」の2項目と「選挙への投票意欲」に有意な関係が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス禍のため,計画から3年の遅れが生じている。本来の計画では2年目(R1年度)に①調査票項目の決定,②予備調査,③本調査(小学生,中学生,高校生,大学生),④結果の分析作業,を行う予定であった。本調査をR1年9月までに行う予定であったが,大学生の質問紙調査の一部を行い,分析作業を行った段階で,数ヶ月の遅れが生じていた。3年目(R2年度)3月末までに残りの小学生,中学生,高校生の調査を行う計画であったが,R2年2月以降,新型コロナウイルス禍のために学校現場に入りにくくなり,3月から5月までの学校休校のため大幅な遅れが生じた。R4年度まで感染警戒レベルの高い時期が続いたため,調査データが取れなかった。状況の好転を待って,さらに1年延長する申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査については,R4年度に引き続き,調査票形式見直し,オンライン回答などの手段でデータを取る方向で検討している。また,調査項目,学校段階,特にインタビューについては見直しが必要と思われる。R5年度は新型コロナウイルスの5類移行により,質問紙法による調査が可能になったため,当初計画に沿った方法でデータを取る方針である。
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