研究課題/領域番号 |
18K02647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 東海大学 (2021) 東海大学短期大学部 (2018-2020) |
研究代表者 |
山本 康治 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター, 教授 (10341934)
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研究分担者 |
桑原 公美子 (北川公美子) 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター, 教授 (00299976)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 国語教育 / 文学教材 / 想像 / 修身 / ナショナリズム |
研究成果の概要 |
大正期、国語科の文学教材の学習では、大正新教育の影響を受けた、児童主体の「想像」を重視する立場と、作者の意図を重視し、過度な「想像・空想」を抑制・排除する立場とが相克していた。しかしながら、大正末から昭和初期にかけての国語教育理論の前景化に伴い、児童の「想像」を重視する立場は弱まり、児童の「読み」もその多様性を失うこととなった。その傾向は、昭和6年の日華事変を契機として一層強まり、文学教材読解の場面では、子どもの自由な「想像」は排除され、ナショナリズムに囲繞された形での「想像」を重視するという捻じれた「読み」が強いられるようになっていった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大正新教育の影響を受け、国語科の文学教材読解では、子どもの自由な「想像」に基づく多様な「読み」が尊重されるようになった。しかしながら、この多様な「読み」は登場人物への「同化・共感」を前提としており、決して「批判的な読み」ではなかった。そのため昭和期に入ると、この多様な「読み」は、次第にナショナリズムの枠に取り込まれ、「囲繞された主体的な読み」に変容していった。そしてその先には戦時下の硬直化した「読み」が展開するのである。このような「読み」のあり方を巡る史的経緯の解明は、現代の国語教育における「読み」のあり方とは無縁ではない。テキストを批判的に捉えられる「読み」が必要な所以である。
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