研究課題/領域番号 |
18K02830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
駒谷 真美 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (20413122)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | メディア情報リテラシー / 生涯発達 / エリクソンの心理社会的発達理論 / OECDの社会情動的スキル / 乳幼児期から老年期まで / ワークショップ実践 / ルーブリック評価 / 生涯発達理論 / ワークショップ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、乳児期から老年期まで生涯発達の観点から「メディア情報リテラシー(MIL)生涯発達理論」を世界で初めて体系的に構築し、各発達段階でのワークショップ(WS)実践により、MIL理論の効果を検証することである。 当初の計画に則って、2018年度は、UNESCOのMILを元に本研究代表者の「MIL育成のフレームワーク」を踏まえ、エリクソンの心理社会的発達理論を参照し、MIL生涯発達理論を試案した。2019年度は、新たにOECDが世界的に提唱している社会情動的スキルを取り入れ、教育文脈からMIL生涯発達理論を強化し、UNESCOがSwedenで主催したMIL国際会議において発表した。国際会議の参加者から多くの有意義なフィードバックを得られることができ、実践に向けて方向性が定まった。ところが、2020・2021年度は、国内外でCovid-19の感染が深刻化し、WS準備を進めていたが実行が叶わなかった。 2022年度は、Covid-19第6・第7波の合間に、児童期・思春期・青年期・成人期・老人期の計8回、WSを実践できた。特に思春期は7・9月に「はじめての動画作り」WSの初級・中級編に挑戦し、その成果を11月メディア学会で発表した。WSの事前アンケートで、ソーシャルネイティブのZ世代の日常からSNSで仲間を評価したりされたりする敏感な反応が見られた。そこでWSでは、思春期のMIL発達段階で確立したいスキルとして、社会情動的スキル「自尊心」「自信」 を設定し、動画の制作活動を組み立てた。事後アンケートからレジリエンスや達成感が明示され、テキストマイニングでは、MIL基本概念の体験的実感と危険性察知に関する語が共起ネットワークに表出した。WS実践の結果から思春期のMIL発達課題「アイデンティティの葛藤に基づく協調的情報探索」の妥当性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
延長期間のお陰で、2022年度はCovid-19第6・7波の中でも、MIL生涯発達理論のWSを8回も実践できた。WSでは当初から企画していた「対面」・新たに考案したZoomでの「オンライン」・対面とZoomを合体した「ハイブリッド」と3種類のWSデザインを試行できたことは、研究継続の面でも大いに意義があった。よって、まだ完全にCovid-19以前の計画には戻れてはいないが、おおむね順調に回復してきていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度のWSで「対面」「オンライン」「ハイブリッド」の3デザインで実施可能なことが証明されたので、2023年度もこれらのスタイルを駆使して、Covid-19の感染状況に応じてフレキシブルに研究を継続していく。 2023年度の主な研究は、『①まだWS実践していない発達段階(乳幼児期・中年期)と深化させたい発達段階(老年期)で実践を行う ②前年度のWS実践も含めて全実践の精査を行う ③WS実践から得たMIL理論の効果を総括する』方針である。
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