研究課題/領域番号 |
18K03008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
八ツ塚 一郎 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10289126)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | いじめ / 言説分析 / アクションリサーチ / 社会的現実 / メタファー / いじめ定義 / 第三者委員会報告書 / いじり / 日本語文法 |
研究成果の概要 |
表面的には「いじめ」を批判し問題視していながら、実際には事態の構造を曖昧にし、被害者の負荷を軽減させることなくかえって問題を深刻化させている「いじめ容認型言説」の存在を指摘し、ミクロとマクロ双方からの言説分析によって、その作用を明らかにした。問題の構造を可視化し、適切な「いじめ」理解を促進することのできる対抗的な抑止言説として、ミクロにおける「火事のメタファー」、マクロにおける「いじめ型学級経営」などの新たな用語法を創出し、学部・教職大学院における授業や教員免許更新等で実践して、その効果を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新聞記事を中心としたマクロ言説を分析し、「いじめ」の構造や被害の実像を曖昧にする「いじり」等の容認言説とその特徴を明らかにした。また、深刻ないじめ事案の第三者委員会調査報告、自身の調査委員としての活動を通して、ミクロ言説にも同様の齟齬があり、「いじめ」対応における構造的な遅延などの問題が生じていることを示した。これらの検討を踏まえて提起した「火事のメタファー」「いじめ型学級経営」などの代替言説は、発話者の当事者意識を喚起し新たな思考と実践を導く新たな語彙であり、社会的な実践の道具として言説分析を応用する可能性を示した点でも大きな意義を持っている。
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