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いじめ抑止のメカニズム:モラルエージェンシーの活性化は傍観行動の低減につながるか

研究課題

研究課題/領域番号 18K03083
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関広島修道大学

研究代表者

西野 泰代  広島修道大学, 健康科学部, 教授 (40610530)

研究分担者 若本 純子  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60410198)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードいじめ / 傍観 / 小中学生 / モラルエージェンシー / 同調傾向 / 共感的関心 / いじめに対する教師の呼応性 / 傍観と仲裁 / 同調圧力 / モラルディスエンゲージメント / 教師の呼応性 / 傍観行動 / 仲裁行動 / 児童生徒 / 教師 / 混合研究法 / 傍観者 / 仲裁者 / 道徳意識 / メカニズム
研究成果の概要

いじめが起きる場面で、その場にいる子どもたちはそれぞれにその状況を見定め、自分がどう行動すべきか葛藤しながら自らの行動を選択すると考えられる。どう行動すべきかについて心理的葛藤が生じても、モラルエージェンシーが活性化される状況であれば、子どもたちはいじめに加担したり見て見ぬふりをしたりすることをせず、被害者を助けるような行動を選択するだろうと予測される。小中学生を対象とした大規模調査の結果から、いじめ場面では多様な傍観や仲裁の様態が存在しうること、『道徳的理由』よりも『自己防衛的理由』が行動選択に大きく関与しうること、規律正しい学級では傍観が起こりにくく、仲裁が起きやすい可能性が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来、いじめ場面での傍観者は「見て見ぬふりをするもの」として一様に扱われてきたが、本研究の結果から、傍観には、他者への無関心さ、自分が被害者になることへの恐れ、集団への同調などさまざまな背景があり、多様な傍観様態が存在する可能性が明らかにされた。これにより、「さまざまな理由で生じる多様な様態を示す行動」として傍観を捉え直したうえで様態別の対応が必要であることが示唆され、たとえば、周囲に同調しやすい子どもに対して、学級内に傍観を許さないルールや空気を作るといった学級づくりを通した間接的な介入をするなど、いじめの重篤化を防ぐための傍観者低減対策のひとつとして有効な示唆を提供できたといえよう。

報告書

(7件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 2018 実施状況報告書
  • 研究成果

    (33件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 小中学生におけるいじめ傍観の多様な様態2022

    • 著者名/発表者名
      Nishino Yasuyo、Wakamoto Junko
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 93 号: 1 ページ: 21-31

    • DOI

      10.4992/jjpsy.93.20050

    • NAID

      130008134468

    • ISSN
      0021-5236, 1884-1082
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教師の萌芽段階のいじめ認知といじめの深刻化の認知の検討―重大事態等の防止のためにー2021

    • 著者名/発表者名
      若本純子・西野泰代
    • 雑誌名

      生徒指導学研究

      巻: 20 ページ: 80-90

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 仮想場面を用いた小学生・中学生のいじめ認知の検討―子どもは本当にその場面をいじめと捉えているのか―2020

    • 著者名/発表者名
      若本純子・西野泰代
    • 雑誌名

      生徒指導学研究

      巻: 19 ページ: 44-54

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 気持ちを言葉にできない子ども:すぐ手がでてしまう子2018

    • 著者名/発表者名
      西野泰代
    • 雑誌名

      児童心理

      巻: 72 ページ: 53-57

    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] いじめ場面での仲裁と傍観 ー学級変数との関連について学校段階差による検討ー2024

    • 著者名/発表者名
      西野 泰代
    • 学会等名
      日本発達心理学会第35回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] いじめに対する教師の呼応性といじめ場面での仲裁・傍観との関連2023

    • 著者名/発表者名
      西野 泰代
    • 学会等名
      日本教育心理学会第65回総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] いじめ場面で仲裁するか傍観するか ー同調傾向,共感的視点取得,モラルディストレスの役割ー2023

    • 著者名/発表者名
      西野 泰代
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] いじめ場面での仲裁と傍観に対する同調傾向の役割について2023

    • 著者名/発表者名
      西野泰代
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 児童生徒の援助要請コーピングと学級風土がいじめ場面での仲裁行動の生起に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      西野泰代
    • 学会等名
      日本教育心理学会第 64 回総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生のいじめにおける周辺的役割の諸相 (4)ー加害者・被害者・傍観者との関係性と共感が傍観・仲裁に及ぼす影響ー2022

    • 著者名/発表者名
      若本純子・西野泰代
    • 学会等名
      日本教育心理学会第 64 回総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生のいじめ傍観は同調から生じているのかー理由が異なる3様態の傍観を用いた検討―2022

    • 著者名/発表者名
      西野泰代・若本純子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] いじめ免疫がクラスのいじめ蔓延度の変化を予測するか―2時点データを用いた検討―2021

    • 著者名/発表者名
      西野泰代
    • 学会等名
      日本教育心理学会第 63 回総会(シンポジウム話題提供)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Multilevel Study of Bystanders in Bullying: The role of Perceived Peer Pressure and Teacher’s Responsiveness.2021

    • 著者名/発表者名
      Yasuyo Nishino
    • 学会等名
      Poster Presentation at The 32nd International Congress of Psychology
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 小学生・中学生のいじめにおける周辺的役割の諸相(3)―理由づけとデモグラフィック変数から説明する仲裁行動―2021

    • 著者名/発表者名
      西野泰代・若本純子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第63回総会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生の友人関係といじめ傍観行動をめぐる『現実』(1)―やさしい」友人関係は低年齢層へ広がっているか?―2020

    • 著者名/発表者名
      若本純子・西野泰代
    • 学会等名
      日本発達心理学会第32回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生の友人関係といじめ傍観行動をめぐる『現実』(2) 友人に対する同調の低減と共感の向上はいじめ抑止につながるか?2020

    • 著者名/発表者名
      西野泰代・若本純子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第32回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生のいじめにおける周辺的役割の諸相(1) ―子どもたちの理由づけから予測する多様な傍観様態2020

    • 著者名/発表者名
      西野泰代・若本純子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第62回総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生のいじめにおける周辺的役割の諸相(2) ―攻撃形態と属性との交互作用による検討2020

    • 著者名/発表者名
      若本純子・西野泰代
    • 学会等名
      日本教育心理学会第62回総会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 青年期男女の「両価的友人関係」と高配慮行動との関連 ―知覚されたピアプレッシャーを媒介変数とするモデルの検証2020

    • 著者名/発表者名
      若本純子・原田恵理子・西野泰代
    • 学会等名
      日本心理学会第84回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生の友人関係といじめ傍観行動をめぐる『現実』(2) 友人に対する同調の低減と共感の向上はいじめ抑止につながるか?2020

    • 著者名/発表者名
      西野泰代・若本純子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第31回大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 小学生・中学生の友人関係といじめ傍観行動をめぐる『現実』(1) 「やさしい」友人関係は低年齢層へ広がっているか?2020

    • 著者名/発表者名
      若本純子・西野泰代
    • 学会等名
      日本発達心理学会第31回大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Does the bully/victim ratio comparison help us clarify the seriousness of bullying in a class?2019

    • 著者名/発表者名
      Nishino,Y., Kanetsuna,T., & Toda,Y.
    • 学会等名
      WABF 2019 (World Anti-Bullying Forum)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] The Role of Individual Correlates and Classroom Climate in Passive Bystanding Behavior in Bullying: A Multilevel Analysis2019

    • 著者名/発表者名
      Yasuyo Nishino
    • 学会等名
      ECP 2019 (16th European Congress of Psychology)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 高校生・大学生のいじめ場面での傍観行動を規定する要因(1) 従来型いじめ場面の検討2019

    • 著者名/発表者名
      西野泰代・原田恵理子・若本純子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第61回総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 高校生・大学生のいじめ場面での傍観行動を規定する要因(2) LINE コミュニケーション場面の検討2019

    • 著者名/発表者名
      若本純子・原田恵理子・西野泰代
    • 学会等名
      日本教育心理学会第61回総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 小中学生におけるいじめとモラルディスエンゲージメントとの関連 (1)いじめ場面での傍観行動とモラルディスエンゲージメント2019

    • 著者名/発表者名
      西野泰代・若本純子
    • 学会等名
      発達心理学会第30回大会ポスター発表
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 小中学生におけるいじめとモラルディスエンゲージメントとの関連(2) いじめ行為の繰り返しといじめ認知との関連にモラルディスエンゲージメントが及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      若本純子・西野泰代
    • 学会等名
      発達心理学会第30回大会ポスター発表
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] Bystanders’ reactions to bullying: The role of moral disengagement and perceived peer pressure2018

    • 著者名/発表者名
      Yasuyo Nishino
    • 学会等名
      25th International Society for the Study of Behavioral Development
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] What Can Be Done about School Bullying? One Application of School-wide Positive Behavior Interventions2018

    • 著者名/発表者名
      Yasuyo Nishino
    • 学会等名
      International School Psychology Association 2018
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 子どもたちはなぜいじめ場面で傍観するのか: ピアプレッシャーへの敏感さを規定する要因2018

    • 著者名/発表者名
      西野泰代
    • 学会等名
      教育心理学会第60回総会ポスター発表
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] モラルエージェントの活性化は「ネットいじめ」を低減するか2018

    • 著者名/発表者名
      西野泰代
    • 学会等名
      教育心理学会第60回総会シンポジウム話題提供
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [図書] ひと目でわかる発達2020

    • 著者名/発表者名
      渡辺 弥生、西野 泰代
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      9784571230622
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 情報モラル教育2018

    • 著者名/発表者名
      西野泰代、原田恵理子、若本純子
    • 総ページ数
      120
    • 出版者
      金子書房
    • ISBN
      9784760826698
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書

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公開日: 2018-04-23   更新日: 2025-01-30  

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