研究課題/領域番号 |
18K03092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河野 荘子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00313924)
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研究分担者 |
岡本 英生 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30508669)
清河 幸子 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (00422387)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 非行少年 / 認知プログラム / 非行からの立ち直り / 一人でいること / 孤独感 / 立ち直り尺度 / 共通点発見課題 / 立ち直りプログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、再非行防止を目的とした認知課題を作成し、その効果検証をおこなうものである。 非行少年は、孤独に対する耐性が低いため、できるだけ孤独を感じないように、誰かと一緒にいることを好んだり、外へ出かけたりする。「孤独」は、「ひとりぼっち」や「寂しい」など、ネガティブなイメージを喚起されやすい言葉であるが、一方で、「孤独」であるがゆえに、自己内省を深めることができたり、落ち着いた静かな時間を過ごすことができたりといった、ポジティブな側面も有する。本研究の認知課題は、ポジティブな側面を意識させることで、「孤独」に対するイメージを変化させ、不適切な対人行動を抑止させることを意図している。 昨年度の調査より、「孤独」という言葉は、ネガティブな印象と強く結びつくため、ポジティブな側面を意識化させることは難しい可能性が示唆された。そこで、本年度は、「孤独」を「一人でいること」にし、「一人でいること」がどのように捉えられているかを明らかにするために,この言葉から連想される内容を収集した。調査協力者は315名であった。その結果、最も連想された内容は「孤独」であった。「一人でいること」と「孤独」は最も結びつきが強いことが示唆された。それに次いで多かった内容は「さびしい」であり、「孤独」を刺激語とした清河・河野(2022)の結果と同様であった。しかし、清河・河野(2022)とは異なり、「気楽」「自由」「リラックス」「落ち着く」「楽しい」のようなポジティブな意味合いを持つ内容も含まれていた。「一人でいること」は必ずしもネガティブに捉えられているわけではないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初は「孤独」と「一人でいること」を同じものだと考えて研究を進めていたが、昨年度の調査の結果から質的に異なるものだとわかった。そのため、より精度の高い研究にする目的で、再調査を実施することとした。再調査ではあるものの、研究計画修正のための研究倫理申請をおこなったり、新しく研究方針を検討するための打ち合わせをしたり、予定外の取り組みが増えた。さらに、学内の業務が多忙である上、コロナの蔓延の影響もあり、研究の打ち合わせや遂行に支障が出た。以上のことより、当初予定より時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
今回、連想価の高い内容を検討するために、「一人でいること」から最初に連想された内容のみを分析対象とした結果を報告した。しかし、実際には複数の内容が回答されていることから、連想の流れを検討することによって、連想内容が一様にネガティブあるいはポジティブなものに偏っているのか、それともネガティブなものもポジティブなものも両方含まれているのかについて検討する必要がある。連想内容の個人差を捉えるとともに、その個人差が対人行動とどのように関連しているのかを検討する必要がある.
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