研究課題/領域番号 |
18K03159
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
塘 利枝子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (00300335)
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研究分担者 |
松井 智子 中央大学, 文学部, 教授 (20296792)
権藤 桂子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90299967)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 多文化 / 多言語 / 乳幼児 / 児童 / 発達 / 発達障害 / 日系ブラジル人 / 生態学的発達システムモデル |
研究実績の概要 |
研究代表者である塘は、東海地方や関西地方の就学前施設において、多文化・多言語環境で育つ子どものフィールドワークを行おうと計画をしていたが、新型コロナウイルスの感染状況により実際の調査が不可能であった。そこで、前年度から引き続き行っていた近隣の就学前施設でのフィールドワークや、リモート等による保育者への発達相談内容のデータを分析することで研究を行った。 その結果、以下の2点が浮かび上がってきた。第1に、就学直前の5歳児への対応の難しさについてである。なかでも日本語修得への対応と、生活習慣への対応が保育者にとっても困難事項であることが明らかになった。前者については、生活上の一般的な名詞句についての日本語は獲得できても、可視化しにくい方向性を表す語彙や、複雑な形容詞句については獲得の遅れが見られ、その遅れに保育者が気付きにくいことが指摘された。後者については食習慣や生活時間に関する文化的な違いについての課題であった。就学前施設内では柔軟に対応できても、小学校入学後に給食や集団生活への対応の難しさが予測される点が指摘された。 第2に、就学前施設等への入園・所時の発達に関する項目の未整備についてである。アレルギーや既往症についての項目は整備されているものの、認知発達や言語発達に関する項目がなく、日本語の修得状況が遅れている場合、日本語修得状況のみの遅れか、認知・言語発達そのものの遅れかの判断がしにくい。家庭での言語・生活状況をも踏まえた項目の設置の必要性が指摘された。 以上の結果を踏まえ、言語のやりとりを促す就学前施設内での個別対応の方法について対応策を明記すると共に、保育者への研修をリモートで行った。今後は、就学前施設入園・所時、及び発達障害の有無を見極められるような入所後の定期的なチェック項目を作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で保育現場や教育現場への自由な立ち入りができず、直接接触が制限された。したがってフィールド内での調査や検査が思うようにできなかったため、研究に遅れが生じている。しかし前年度まで積み重ねてきた調査のデータを整理し、分析に時間をかけることができ、多角的な側面から解析できたのは良かった点である。
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今後の研究の推進方策 |
今までの研究結果をもとに、今後は就学前施設入園・所時と、その後の認知及び言語発達のチェック項目を作成する予定である。またそのチェック項目を実際に就学前施設内で使用してもらい、項目の精査をする予定である。 さらに今までの知見の特に対応方法について論文として執筆をしたが、今後は一般の保育者や小学校教員にわかりやすい冊子として作製する予定である。
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