研究課題/領域番号 |
18K03175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森川 和則 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (70312436)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 錯視 / 服装 / 体型 / 顔 / 視覚 / ファッション / 水玉模様 / 縞模様 / マスク / 知覚 / 着やせ / タックイン / 縦縞 / 視知覚 / 着太り / 脚の長さ / 心理物理学 |
研究実績の概要 |
マスクの明度が顔の明るさ知覚・形状知覚・大きさ知覚に及ぼす影響を検証した実験結果を英語論文にまとめて査読付き国際ジャーナルに投稿した(現在、審査中)。知覚される体型に服装の縞模様・水玉模様が及ぼす効果を昨年度に続き研究した。また、女性の着るジャケットには非常に丈の短いものがあるが、なぜそのようなジャケットが好まれるのかを検証するために心理物理学実験を行なった結果、非常に丈の短いジャケットは体をかなり細く見せる効果があることを実証した。なお、服装錯視に関する英語論文を現在執筆中であり、近いうちに国際ジャーナルに投稿する予定である。 これらの一連の研究から、人間の視覚は服装がもたらす形状印象とそれを着る人物の形状知覚とを明確に分離することができず、無意識のうちに服装の形状印象を人物の形状知覚に同化させてしまうため、形状錯視が生じることが示唆された。また、服装によるアモーダル補完錯視は非常に頑健な現象であり、服によって覆われていない体の部分の見た目が、服によって覆われて見えない部分の体型知覚に大きく影響することを実証できた。顔の知覚においてはパーツ間の同化の錯視が非常に頑健に生じる。それは顔の「全体処理」に起因すると考えられる。他方、服装の場合も同化方向の錯視が生じる場合が多い。例えば縦・横方向にかかわらず縞模様が太いと体も太く見え、水玉模様が小さいと体も細く見える。これらのことから、人間の体型の知覚に関して、視覚システムはかなり正確であると同時に、ノイズに影響されやすいという二面性を持っていることが示唆された。 本研究課題の成果をまとめた英語論文を執筆中であり、これはThe Oxford Compendium of Visual Illusions (Second Edition)(Oxford University Pressより出版予定)に掲載される予定である。
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