研究課題/領域番号 |
18K03192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
中島 定彦 関西学院大学, 文学部, 教授 (40299045)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 悪心 / 異食 / カオリン粘土 / ラット / 走行 / 水泳 / 味覚嫌悪学習 / 性差 / 連合学習 / 条件づけ / マウス / カオリン / 粘土食 / 乳糖 / 回転かご走行 / パイカ行動 / 運動 |
研究成果の概要 |
標準的な実験動物であるラットは神経的・筋肉的理由により嘔吐できないが、催吐剤の投与や放射線の照射といった、ヒトに悪心(吐気)を引き起こす処置をラットに施すと、カオリン粘土を食べる異食行動が生じる。このことから、粘土食はラットにおいて悪心の指標とされている。本研究では、ラットの粘土食の機能や特性を心理学的行動実験により調べ、走行や水泳といった運動や乳糖摂取でも粘土食が生じることを明らかにした。この事実から、運動や乳糖摂取が悪心を引き起こすと考えられる。さらに、催吐剤によって、ラットはカオリン粘土以外にもゼオライト粘土や石膏や石灰を、わずかに摂取することを見出した。粘土食の性差についても検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラットの異食行動は抗癌研究の分野において、治療処置(その多くは悪心を副作用として有する)の嫌悪度測定法として注目されてきたが、催吐処置を用いてラットの味覚嫌悪学習を研究する実験心理学者にとって、異食行動を指標とした悪心測定は未活用の方法であった。本研究の成果は「動物の心の可視化技術」の一つとして今後発展が期待できる。なお、本研究で行ったカオリン粘土以外の鉱物を異食のテスト材料とする試みや、異食に関する性差の検討は、癌の治療処置の嫌悪度に関する基礎研究の方法論の改善に資するであろう。
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