研究課題/領域番号 |
18K03204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
榎本 直也 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (50565710)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 写像類群 / 表現論 / Johnson準同型 / quasi-invariant / 超平面配置 / 可積分系 |
研究実績の概要 |
本年度はquasi-invariantと超平面配置の自由性の研究,Johnson準同型に対する榎本-佐藤障害およびその類似に関する研究を行った. 複素鏡映群に対するquasi-invariantは,多項式環と不変式環の間のフィルトレーションを与える構造で,Calogero-Moser系と呼ばれる量子可積分系の研究から得られた概念である.quasi-invariantのなす環の構造は,有理Cherednik代数の表現論を用いて記述される.他方,超平面配置に付随する対数的ベクトル場に対する原始微分は,斎藤恭司により導入された.阿部拓郎氏(九州大学)、吉永正彦氏(大阪大学)と共同研究を進め,原始微分とquasi-invariantおよび有理Cherednik代数の関わりについて研究を進め,trigonometric quasi-invariantと原始微分の関わりについての新しい知見を得た. 曲面の写像類群に付随するJohnson準同型の像の大きさを評価する榎本-佐藤障害に関しては,シンプレクティック群の表現論を用いた既約成分の同定について引き続き研究を進めた.さらに,佐藤隆夫氏(東京理科大)とともに,自由群の自己同型群におけるMcCool群に対する類似物について研究を行い,対応するJohnson像の大きさについての評価についての知見を得た..
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超平面配置の自由性とquasi-invariantの関係については阿部-榎本-Feigin-吉永で得た有理Cherednik代数の表現との新しい関わりを研究する中で,特に斎藤恭司による原始微分の持つ意味を有理Cherednik代数の観点に結びつけることに課題があった.今回は,特にtrigonometric quasi-invariantとのかかわりの中で原始微分の離散化についての新しい結果を得ることができ,論文として執筆中である. 曲面の写像類群に付随するJohnson準同型については,シンプレクティック群の既約表現に対応する余核成分を具体的に同定する結果を得た他,自由群の自己同型群に対するJonson余核を決定した榎本-佐藤の結果の類似物を,McCool群において考察し,Johnson像の大きさを低次の場合に評価し,対称群の既約表現を用いて同定する具体的な結果を得た.
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今後の研究の推進方策 |
超平面配置の自由性とquasi-invariantの関わりについては,引き続き,有理Cherednik代数の表現論との関わりを軸に研究を進める.原始微分の離散化に関する研究はまだ緒についたばかりで,有理Cherednik代数の表現論やシフト函手を用いた定式化について研究する. 曲面の写像類群に付随するJohnson準同型については,引き続きそのシンプレクティック群の表現としての構造についての研究を進める.McCool群に対する類似物については,対称群の表現論やplesythmとの関わりが明らかになってきており,像や余核の大きさの評価についてさらに一般的な結果を得ることを目的として研究を続ける.
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