研究課題/領域番号 |
18K03230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
三浦 敬 宇部工業高等専門学校, 一般科, 教授 (50353321)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ガロワ点・準ガロワ点 / 自己同型群 / 代数曲線 / 複素鏡映群 / クレモナ群 / 射影多様体 / K3曲面 / 射影代数多様体 / (準)ガロワ点 / 射影代数多様対 / ガロワ点 |
研究実績の概要 |
代数関数体の内部構造および体拡大の構造を幾何的に考察する手段として導入された「ガロワ点」およびその進化形である「準ガロワ点」を核として,様々な観点から射影代数多様体の幾何学とその周辺について総合的な研究を行った.両者を用いると射影代数多様体が持つ対称性を上手く捉えられることが過去の研究より分かっており,自己同型群を幾何学的に,またより具体的に明示することを念頭に研究を行った.具体的な項目は以下の通りである.①クレモナ変換とガロワ点の関係について,2023年2月にarXivで公開された Abouelsaad氏の論文を精査し,自分自身の結果(論文は投稿中)との関連を考察した.②徳島大学の大渕朗名誉教授とBring曲線についてオンライン上で研究打合せを行った.ガロワ点理論への展開の可能性を探った.③東海大学の瀧真語准教授と3次元射影空間内の4次曲面のガロワ点理論について共同研究を行った.ここで4次曲面はK3曲面であることに注意する.内ガロワ点を持つ4次曲面は Eisenstein型のK3曲面になることが分かった.とくに最大個数である8個の内ガロワ点を持つ4次曲面の超越格子を決定した.内ガロワ点が2個,4個の場合についてはさらなる研究が必要であり今後も共同研究を行う予定である.④本科研費の補助により,第21回代数曲線論シンポジウムを開催世話人の一人として日本大学理工学部で開催した.⑤湯布院代数幾何学ワークショップで「ガロワ点とクレモナ変換」と題する研究発表を行った.⑥本科研費の補助により,第8回代数幾何学研究集会-宇部-を開催した.全国各地より約30名の参加があり活発な議論が展開された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
いまだ残る新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の専門家との研究打合せが思うように実行できなかったことが大きな原因である.もちろん,オンライン上での研究打合せも可能であったが,実際に同じ空間で顔を合わせて行うことに比べると,成果は大きくなかったように思う.また,新たな可能性を信じていろいろな分野との融合を模索したが,膨大な先行研究を勉強することが予想以上に辛い作業であり,思うように進まなかったことも原因の一つである.
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今後の研究の推進方策 |
今後も,ガロワ点を核とした射影代数多様体の幾何学とその周辺について総合的な研究を行う.より具体的には,①自己同型群の研究,②複素鏡映群のガロワ点理論への応用,③K3曲面を含む小平次元0の代数曲面のガロワ点(ガロワ埋め込み)理論の構築,④ザリスキ対とガロワ点理論の関係の解明,⑤クレモナ群とガロワ点理論の関係の解明,である.とくに現在強く進行している③に最も注力したいと考えている.そのためには,各分野の専門家と綿密な研究打合せを行いたい.さらには,各種研究集会に出席し,最新の研究成果について情報収集を行いたい.
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