研究成果の概要 |
正規代数曲面について, (A) 全射で非同型な自己正則写像をもつ正規射影的曲面の構造, (B) 非有理点を持つ正規 4 次曲面の定義方程式, の2つのテーマについて研究するのが目的であった. (A) では困難だった未解決問題を解決し, その結果, ピカール数1の対数的デルペッツォ曲面以外の複素射影的正規代数曲面について, 全射で非同型な自己正則写像をもつための必要十分条件を, 曲面の構造条件として記述することに成功した. 一方 (B)については研究する時間がほとんどなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代数多様体の全射自己正則写像については, 力学系, 数論, 代数幾何の立場から様々な研究が行われているが, 近年盛んになってきた. 主には同型写像を扱うものが多いが, 非同型な場合も偏極を保つ自己正則写像の場合に極小モデルや有理点について議論しているものも多数ある. 今回の非同型な全射正則写像を持つ正規曲面の場合の分類結果は, 非常に具体的であり, これらの研究に応用されることが多いに期待される.
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