研究課題/領域番号 |
18K03286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
吉岡 朗 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 教授 (40200935)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 変形量子化 / star積の代数 / star積に関する指数関数 / 発散級数 / star積 / Kummer関数 / SU(2)ケプラー問題 / Mittag-Leffler関数 / 指数関数の量子変形 / 変形量子化関数 / 超幾何関数の変形 / 非可換幾何学 / 非可換シュワルツシルド宇宙 / 拡張不確定性関係 / 中心配置 / 非可換指数関数 |
研究実績の概要 |
1変数star積代数におけるstar指数関数は、変形パラメータがある角領域を動く時、時間変数に関し急減少するという性質をもつ。この急減少性から時間変数に関する0から正の方向にむかう無限積分が可能である。一方、変形パラメータが0のときstar積代数は通常の関数のなす代数である。通常の代数における生成元wの逆元は逆数1/wである。ただしwが0の点を除く。この関数を変形パラメータに沿って0から変形していくことを考えるとこれは変形の方程式の形式解で、変形パラメータに関する発散級数であり形式的な逆元であることもわかる。ボレル変換によりこの発散級数を漸近級数にもつ解析関数を構成することができる。ここで、上記の広義積分はstar積代数においてこの発散級数を漸近展開にもつある各領域における一つの解析関数を与えていることがわかる。また、0から負の無限大への広義積分も同様の性質を持つことが示せるが、二つの広義積分は等しくないことも示せる。これらのことから、このstar積に関する形式的な逆元の正則化は存在するがただ一つではないことになる。上記star指数関数の広義積分のよる正則化は多数存在する形式的逆元たちの、一つの標準形を与えるものであると解釈できる。さらに二つの広義積分から変形パラメータの0極限をとるとそれぞれ生成元は生成元の逆数をそれぞれ異なる部分領域に制限したものに収束していることがわかり、その違いもこの意味で明確になった。これを1変数の場合から多変数の場合に拡張して考察をすると、star積代数における指数関数の特異点の性質が漸近級数展開の観点からも理解できると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究内容としては着実に結果を積み上げているものの、発表に関してはやや遅れが生じている。国際的な国際研究集会において講演を予定していたが、コロナ等の影響で参加が困難となり発表活動が延期となった。また、ブルガリア・バルナにおいて開催予定であった国際研究集会も6月の時点では状況の見通しがたたず、次年度等以降に状況が改善された時に開催となった。研究の論文発表に関しても同様の影響があり、論文の査読の処理、研究会開催時期の変更等で、公表にやや遅れが生じている。しかしながら、状況は平常に戻りつつある。
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今後の研究の推進方策 |
得られている結果を論文、研究会における口頭発表等で公開する。現在進行中の研究については、なるべく早く結果をまとめて公開に向けての作業を行う。研究会論文集等の公開は共同開催者との連絡をとり、その作業を再開し、順調に進めていけるよう調整をおこなう。国内外の研究者との研究打ち合わせ・研究交流等を再び活発化し、研究計画に関する新しい知見を得ていくとともに研究計画のまとめに向けた作業を行う。
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