研究課題/領域番号 |
18K03324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2020-2023) 東京学芸大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
高橋 弘 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (30413826)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自己相似確率過程 / ランダム媒質 / 1次元拡散過程 / 従属性を持つ確率過程 / 確率解析 / Weakly dependence / 従属性を持つ確率変数 / 確率微分方程式 / レヴィ過程 |
研究実績の概要 |
本研究では,自己相似確率過程をランダム媒質のモデルとして,その中の拡散過程の漸近挙動を媒質のランダムネスから明確に説明することを目的としている。今年度は,1次元に満たないが,自己相似性を持つフラクタル的な構造を持つ図形上にランダム媒質を与え,その中の拡散過程の漸近挙動に関する研究を進めた。 得られた結果は,ランダム媒質に起因するスケーリングと図形の複雑さに起因するスケーリングの下で極限分布が得られる,というものであり,今まで考察されたモデルから得られる極限定理とは異なるものが導出された。この結果をさらに一般化する方向に研究を進めた。その成果としては,分散が定義されないような「大きな」ランダムネスを持つ媒質の下での極限定理を導出することができた。また,分散が定義できるランダムネスを持つ媒質の場合については,スケーリングをとらないことで,さらに精密化された問題を考えることができることがわかった。この問題については,いくつかの研究集会で発表し,現在は,これらの成果を論文として発表するための準備を行っている。 上記のモデルとは異なるモデルとして,数直線の負側だけにランダム媒質が与えられている場合の極限定理について考察した。この研究は,ランダム媒質中の拡散過程の性質を調べることに動機づけされているが,1次元拡散過程の極限定理に関する一般論の問題に抽象化できることがわかった。これらの成果について,論文を投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スケーリングをとらない精密化の問題について考察し,極限定理に関する結果を導くような筋道がある程度得られたため,おおむね順調に進展していると自己評価する。 また,数直線の負側だけにランダム媒質が与えられている場合についても,精密化の問題を考えられることに気づき,新たな研究の方向性が得られたことも,上記の自己評価の理由となる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度にいくつかの研究集会で発表した自己相似性を持つフラクタル的な構造を持つ図形上でのランダム媒質中の問題については,得られた結果を吟味し,成果をまとめているところである。今年度中に論文を完成させ,投稿する予定である。 また,数直線の負側だけにランダム媒質が与えられている場合については,新たな問題設定の下で,いくつかのアイディアを検討している。その後,論文としてまとめることを目指す。
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