研究課題/領域番号 |
18K03354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
鈴木 香奈子 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (10451519)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 反応拡散系 / 定常解の安定性 / パターン形成 / 拡散誘導不安定化 |
研究実績の概要 |
今年度は、研究実施計画(1)解の時間大域的挙動の解明に関連して、複数の方程式から成る非拡散系と1本の反応拡散方程式から構成される連立系について、非定数定常解の存在とその安定性に関するこれまでの研究成果を学術論文にまとめる作業を行った。さらに、いくつかの具体例を用いて定常解の構成や安定性について考察し、工学系の研究者とも意見交換をして応用を意識した今後の研究の発展について議論を行った。 また、解の時間大域的挙動に関連する問題として昨年度行っていた進行波解の存在に関する解析手法の知見から、適当な変数変換が拡散-非拡散系の爆発解のダイナミクスを解析するために有効なのではないかという予測を得た。そのため、まずは解析に慣れている古典的な反応拡散系に対して適当な変数変換の導入によるダイナミクスの解析に取り組んだ。外力項を含む系に対して、この外力項を活かした変換を施すことにより新たに見えるダイナミクスについて考察した。この手法を最も単純な2連立の拡散-非拡散系に適用し、空間のある1点において解が無限時間かけて無限大へ到達する現象の解析に着手したところである。この問題は、研究実施計画(1)解の時間大域的挙動の解明、(2)非局所項をもつ方程式系のダイナミクス解明、(3)系のダイナミクスと領域の形状の関連、の全てにわたる問題となっている。新たな視点からの解析に取り組んだため、解の時間大域的挙動に予測を立てるために数値実験を行うことにも時間を割いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外出張ができず共同研究者と直接議論する機会がもてなかったため進捗は遅れたが、昨年度に論文を学術誌に投稿することができ、遅れを取り戻しつつある。また、昨年度に国際研究集会の開催も検討していたが実現できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画(1)から(3)にわたる問題として、拡散-非拡散系の爆発解のダイナミクスについて考察を行う。ここでは、本研究課題の初期に扱っていた肺がん初期にみられるパターン形成を記述した数理モデルを扱う。この系は外力項をもち、これまでにダイナミクスや定常解の安定性について詳しく分かっているため、新たな視点からの解析を行いやすい。この系に対して、適当な変数変換を導入し、より詳しいダイナミクスの情報を得ることを目標とする。解析手法の試行のために古典的な反応拡散系も並行して考察する。また、解の挙動の予測を立てるために数値実験にも一定の時間を割く。
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