研究課題/領域番号 |
18K03417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
宮口 智成 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10367071)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ブラウン運動 / コロイド / 一般化ランジュバン方程式 / 非ガウス性 / 点過程 / 拡散性の揺らぎ / 混み合い / 流体力学的相互作用 |
研究成果の概要 |
(1)拡散性の低減: 細胞質はマクロ分子で極めて混み合っている。このような混み合いの結果、細胞内マクロ分子の拡散性は希薄溶液中に比べ 1/10 程度まで低減することが報告されている。本研究課題では細胞質の粗視化モデルの理論的な解析を行い、拡散性の低減率を求めた。 (2)非ガウス性と異常拡散: 細胞内の比較的大きな分子は複雑な拡散性を示すことも、一分子計測実験により分かってきた。特に、異常拡散や非ガウス性などの特異な統計的性質を示すことが明らかになってきた。そこでこのような複雑な拡散現象を説明するため、新たな現象論的モデル (拡散性が揺らぐ一般化ランジュバン方程式) を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)拡散性の低減: 細胞質の粗視化モデルの拡散性低減に関する最初の理論的な結果である。これらの結果はいまだ十分なものではないが、今後より精密化されることが期待される。このような理論解析の結果は細胞内輸送特性のより深い理解につながると考えられる。 (2)非ガウス性と異常拡散: 「拡散性が揺らぐ一般化ランジュバン方程式」はこれまで提案されてきた現象論的モデルと同様に、異常拡散と非ガウス性を共に再現する。それに加えて揺動散逸定理を満たすことから物理的な基礎付けも与えられている。この点から、細胞内拡散現象などを説明する理論モデルとして非常に有望であると考えている。
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