研究課題/領域番号 |
18K03443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 就也 東北大学, 理学研究科, 准教授 (10344649)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アクティブマター / 集団運動 / パターン形成 / 走化性 / 非平衡系 / 生物物理 / バクテリア |
研究成果の概要 |
バクテリアの集団的な運動のパターンを、バクテリアを自発的な推進力を持つ棒状粒子として扱い、化学物質の濃度場や流体の速度場を介した相互作用を取り入れてモデル化、解析した。バクテリア誘引物質を分泌して集合する走化性クラスターについては、棒状の形状および細胞分裂の影響で細長いクラスターが形成されることを示した。また、流体中ではバクテリアの方向がそろったレーニング相が形成されやすくなり、流れの影響で密度揺らぎは抑えられることが分かった。さらに菌体を壁に接着すると、バクテリアのドメイン形成による対流パターンが生じること、およびフィラメントの弾性変形により集団的なウェービングが発生することが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は生物の群れの運動の一例であるバクテリアの集団運動を、非平衡統計物理学の立場から解析したものである。個々のバクテリアの運動と、周囲の化学物質や流れの影響を組み合わせてモデル化した点に新規性がある。個別的なバクテリアの特性(棒状の形状、運動性、化学物質や流れに対する反応性)を直接モデルに取り入れることで、微視的なバクテリアの生物物理学的特性と巨視的な集団パターンとの関係が明らかになった。また、バクテリアをチャネル壁に接着した系は、自律的なマイクロ流動デバイスとしての潜在的な可能性を持つが、本研究によってチャネル内の流動パターンについての基礎的な情報が得られた。
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