研究課題/領域番号 |
18K03460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高根 美武 広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 教授 (40254388)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ワイル半金属 / 非エルミート系 / ディラック方程式 |
研究成果の概要 |
ワイル半金属に補助方程式の方法(ワイル方程式と補助方程式を併用する方法)を適用し,2次元的カイラル表面状態や螺旋転位の周囲に現れる1次元的カイラル状態を含む準粒子状態を求めることに成功した.さらに永久電流の解析的な表式を導出し,得られた結果が数値計算結果と定量的に一致することを示した.これらの研究を通して,ワイル半金属のカイラル状態が示す特徴を明らかにした. 当初予定していなかった課題として,非エルミートなディラック系におけるバルク境界対応を記述する理論を定式化した.その他,ディラック系の電磁応答を記述する方法や2次トポロジカル絶縁体の角状態を数値的に求める方法を定式化した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ワイル半金属のバルクな電子状態はワイル方程式(質量ゼロのディラック方程式)によって記述され,波数空間において円錐状のエネルギー分散を示す.しかしこの物質の顕著な特徴と見なされる,表面に局在した2次元的カイラル状態や螺旋転位に沿って現れる1次元的カイラル状態はワイル方程式によって記述できない.本研究では,ワイル方程式から零れ落ちた情報を補助方程式によって補えば,これらのカイラル状態を適切に記述できることを示し,ワイル方程式だけでは不充分な理由を明らかにした. ワイル半金属はワイル方程式によって記述できると理解されている.本研究はこの広く定着した理解が孕む本質的な問題を明らかにしたものと言える.
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