研究課題/領域番号 |
18K03467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
門内 隆明 成蹊大学, 理工学部, 講師 (30514476)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 孤立量子系 / 非平衡統計力学 / エントロピー生成 / 量子系 / 熱平衡化 |
研究成果の概要 |
本研究では、非平衡統計力学の構築について操作的な観点から取り組んだ。 まず孤立量子系における定常状態への緩和について、弱収束の観点から調べた。具体的には、可解系における一般化ギブスアンサンブルへの緩和を、ハミルトニアンが一般の2次形式で与えられる場合に、局所物理量のmixingとして示した。固有状態熱化仮説について、エネルギーと時間の不確定性関係に基づく基礎付けを行った。重ね合わせ状態の特徴であるentanglementを間接的に測定可能にする不等式を示した。 一方、多くの非平衡系で成立する熱力学的不確定性関係を可解モデルについて量子系に拡張し、また揺らぎの定理の観点から必要十分条件を導出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平衡状態および平衡近傍については、統計力学による理解が進んでいる。一方、孤立量子系における熱平衡化やミクロ系における輸送現象をはじめとする非平衡現象については、急速に理解が深まりつつある。しかし、孤立量子系における熱平衡化のダイナミクスについては局所保存量の役割や緩和時間の決定要因等不明な点が多い。また、熱平衡化を受け入れることで、ミクロ系の動作原理を扱う理論として、確率的熱力学が発展しつつある。 本研究では、熱平衡化のメカニズムについて理解が進んだこと、確率的熱力学を更に発展させたことが意義深いと考えられる。
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