研究課題/領域番号 |
18K03478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
富田 憲一 山形大学, 理学部, 教授 (70290848)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 量子動力学 / 強相関電子系 / 非断熱効果 / 多配置理論 |
研究成果の概要 |
断熱近似を超えた格子の量子揺らぎも効率的に取り込める共鳴Hartree-Fock法を用いてテトラチアフルバレン-クロアニル(TTF-CA)の中性相基底状態について研究を行い、格子の結合交代を伴ったイオン性相や、結合交代した中性状態が量子揺らぎとして現れることを明らかにした。本研究結果は、実験的に観測されている超高速誘電率変化とも良く対応している。 また、共鳴Hartree-Fock法を動力学に適用できるような定式化を行った。Dirac-Frenkeの原理に基づいた変分計算の定式化を完成させ、4次のRunge-Kutta法を用いたプログラムの開発に着手し、最終年度にはコードも完成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、電子のみならず、断熱近似を超えた格子の量子揺らぎまで取り込んだ高精度波動関数が計算可能になった。電子緩和に伴う格子構造の変化も矛盾なく記述することができるはずである。また、これまでの時間依存多配置理論が配置間相互作用法に基づいていることが多かったのに対し、非直交スレーター行列式を重ね合わせる本手法では、量子揺らぎに対する物理描像が得られる、という点で従来の理論研究と一線を画している。極限分光が可能になり、光による超高速物性制御を目指す実験が進められている今、実験を支える新しい理論研究が推進されるた意義は大きく、今後より多彩で高性能なデバイス開発にもつながると期待される。
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