研究課題/領域番号 |
18K03483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京電機大学 (2021-2023) 東京大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
川村 隆明 東京電機大学, 工学部, 研究員 (20111776)
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研究分担者 |
小倉 正平 東京電機大学, 工学部, 教授 (10396905)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 反射高速電子回折 / 単ショット / 位相回復法 / 動的過程 / 表面水素原子配列 / 単ショット電子回折 / 単ショット反射電子回折 / 水素位置敏感条件 / 高精度表面構造解析 / 反射電子回折 / 超短時間反射電子回折 / 表面原子配列変化 |
研究実績の概要 |
単ショットの反射電子回折(Reflection High Energy Electron Diffraction-RHEED)で表面原子配列を決めることを目的とする本研究の方法論では、最終的な単ショットRHEED強度分布データ取得前後の表面原子配列が高精度で決定されていることを前提とする。このため、2つのプロジェクトを設定し、研究を進めてきた。1)単ショットのRHEED強度分布から表面原子配列変化を決める方法論の開発と、2)それに必要となる前後の結晶表面の高精度原子配列解析法の開発である。 1)の方法論について:単ショットのRHEED強度測定前後のRHEED強度を解析し、2)のプロジェクト「結晶表面の高精度原子配列解析法」で位相因子を得て、これら2つの位相を利用すると、単ショットのRHEED強度分布から表面原子配列構造が決められることを明らかにした。さらに、単ショット前後の表面の原子配列の差は摂動論で扱える範囲である必要があることも明らかにした。 2)の高精度原子配列解析法について:高精度な解析を可能とする方法論を開発した。そのためには、決めようとする表面原子配列に敏感な条件を利用すること、またこの条件は注目する原子配列ごとに決めることが有効であることを明らかにした。そこで上記1)の方法で摂動論が使えるように最も軽い原子である水素に注目し、パラジウム表面の水素の位置決定についてシミュレーションを用いた研究を行い、表面直下第2層までの水素についての位置決定ができる精度があることを示した。この結晶表面およびサブサーフェスの水素位置決定の可能性を示したことは当初の想定以上のものである。 これらに関して、国内学会で2件の講演発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の2つのプロジェクト、1)単ショットのRHEED強度分布から表面原子配列決定法の開発、2)静的結晶表面の高精度原子配列解析法の開発について、計画していた成果が得られた。さらに計画で想定していなかった点として、2)の方法によって、これまで困難とされてきた表面水素の原子配列を決める可能性が明らかになった。 1)については、単ショット強度分布取得前後の本研究の方法(2)「静的結晶表面の高精度原子配列解析法」で得られる、単ショット前後の2つ以上の静的結晶表面からの位相情報を利用すると、単ショット強度分布からのそのときの位相情報が回復でき、表面原子配列を再現できることを明らかにした。2)については、静的な表面について高精度に原子配列決定を可能とする条件の検討を行い、決めようとする表面原子配列に敏感な条件を利用すること、またこの条件は注目する原子配列ごとに決めることが有効であることを明らかにした。具体的には、これまで困難とされてきたパラジウムPd(100)表面上の水素位置に敏感な条件を見出した。また、Pd(100)表面上直下、サブサーフェスの水素位置についてもその位置に敏感な条件を見出した。この結晶表面およびサブサーフェスの水素位置決定の可能性を示したことは当初想定していなかったものである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の2つのプロジェクトは予定通りに進み、目的とした方法論の開発ができた。今後、これらの成果をさらに展開させ、また周知していくことが必要と考えられるため、研究期間を延長することとした。予定している課題は、以下の2つである。 1)成果の展開:a)注目する原子配列に敏感な条件を利用する方法論。この結果は当初想定していなかった新たな解析法につながるものである。実際、この位置に敏感な条件を利用することで、結晶表面水素の原子配列を決めることができることを明らかにした。この解析法の精度の向上を図っていく。 b)さらに表面直下(サブサーフェス)にある水素の原子配列についても決められることがわかってきたので、さらにその条件や精度などについて明らかにしていく。 2)成果の公表:適切な会議、学術雑誌での成果の公表を行う。
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