研究課題/領域番号 |
18K03513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田島 節子 大阪大学, 理学研究科, 名誉教授 (70188241)
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研究分担者 |
中島 正道 大阪大学, 理学研究科, 助教 (20724347)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 銅酸化物超伝導体 / 赤外スペクトル / ラマン散乱スペクトル / 高温超伝導 / 電子相図 / 電子ドープ系銅酸化物 / 赤外活性フォノン / ラマン活性フォノン / 赤外フォノン / 電子ドープ / フォノン / 光学スペクトル |
研究成果の概要 |
この30年来信じられてきた電子ドープ型銅酸化物の電子相図が、近年になって見直されている。新しい還元処理方法で正しい酸素濃度にしたと言われている試料に対し、酸素欠損がないかどうかを光学的手法(赤外分光、ラマン分光)で調べたところ、強還元した試料とそうでない試料のどちらにも、群論で予想される格子振動モード以外のものが観測された。これらは結晶欠陥の存在を示唆する。ただし、欠陥由来の振動モードは、酸素濃度の異なる両方の試料で観測され、酸素欠損に由来するものではないと考えられる。従って、強還元処理によって得られた新しい相図は、少なくともCe濃度5%以上では、本質的なものである可能性が高い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モット絶縁体に電子を注入した場合と正孔を注入した場合が同じかどうか、といういわゆる「電子・正孔対称性問題」は、長らく議論されてきた。銅酸化物高温超伝導体が発見されてから約30年、電子注入系と正孔注入系の電子相図は、ほぼ対称と理解されてきた。最近になって、強還元して正しい酸素濃度にした試料では、非常に僅かな正孔注入(場合によっては注入なし)で超伝導になるという電子相図が報告され、その正否が議論されている。本研究で強還元による有為な酸素欠損はないことが示され、僅かな正孔注入で超伝導になるという新しい電子相図が本質的なものであることが支持された。即ち、電子・正孔注入は非対称であることがわかった。
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