研究課題/領域番号 |
18K03516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
三好 清貴 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (10294365)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 鉄系超伝導 / 高圧 / 圧力相図 / ダイヤモンドアンビルセル / 対向アンビルセル / 常磁性マイスナー効果 / 圧力効果 / 電子ネマティック相 / 圧力下物性測定 |
研究成果の概要 |
FeSeでは8 GPa程度の高圧下において非超伝導相であるOrthoⅡ相への構造相転移が起こることが報告されている。本研究ではOrthoⅡ相の出現に伴う超伝導の消失を圧力下磁化および電気抵抗測定により初めて観測した。この超伝導相の消失(OrthoⅡ相の出現)には、加圧の一軸圧性に伴う(001)方向への偏った応力が必要であることが示唆された。また、8μm以下の薄い単結晶試料を用いれば静水圧性が改善され、超伝導は消失しないことが分かった。磁化測定から得られた超伝導体積分率は1.5≦P≦6 GPaの圧力領域で明確な落ち込みを示しており、圧力相図における超伝導相と磁気相の共存が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いてFeSe単結晶を加圧し、OrthoⅡ相の出現を起源とする超伝導の消失を観測し、逆に薄い単結晶試料を用いれば静水圧性が改善され消失しないことを示した。FeSeとその関連系の圧力相図は研究対象として大変魅力的であるが、おそらくはこの超伝導消失の問題があるため、これまでに5 GPa以上の高圧域における圧力下物性の研究はほとんどなされてこなかった。本研究で発見されたFeSeの高圧下超伝導の観測を可能にする測定条件は、このような状況を打開するために極めて重要な知見であると言える。今後のFeSe関連系の圧力相図の解明が急加速することを期待している。
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