研究課題
基盤研究(C)
新奇な超伝導状態や非フェルミ液体状態などの特異な物性が発現する、量子臨界点の近傍に位置する非磁性の重い電子系物質では、磁場中でメタ磁性を示す場合があり、その発現メカニズムは、新奇超伝導などの特異物性の発現メカニズムと密接に関係すると考えられている。このメタ磁性メカニズムを解明することは、基礎科学的側面からも新たな超伝導開発といった工学的な側面からも重要である。本研究での大きな成果は、強磁場中の比熱測定によって電子比熱係数の磁場依存性を明らかにし、熱力学的な基本式であるマックスウェル関係式によってよく理解できることを示すことで、メタ磁性メカニズムを明らかにするための基礎的な情報を得たことである。
YbNi2Ge2の高純度試料を得ることに成功し、磁場中の比熱測定を通じて電子比熱係数が磁場依存性を持つことを明らかにした。電子比熱係数は、14テスラまで単調増大傾向を示す磁場依存性をもち、電子比熱係数と磁化率の磁場依存性を結ぶマックスウェルの関係式と呼ばれる熱力学的関係式でよく説明ができることが明らかになった。この結果、メタ磁性転移磁場である40テスラ近傍で比熱測定を行うための基礎的情報が得られ、新奇超伝導体のメカニズム解明にもつながると期待される、非磁性の重い電子系におけるメタ磁性メカニズム解明への足掛かりを得た。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件)
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