研究課題/領域番号 |
18K03543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
奥田 哲治 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20347082)
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研究分担者 |
梶本 亮一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (30391254)
齋藤 智彦 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (30311129)
桑原 英樹 上智大学, 理工学部, 教授 (90306986)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 強相関電子材料 / 二量体 / 電荷整列 / 熱電特性 / 擬ブルッカイト / 強相関電子系 / 擬ブルッカイト型Ti酸化物 / スピン・軌道揺らぎ / 強相関電子系物質 / 希釈磁性半導体 / フラストレート磁性体 |
研究成果の概要 |
本課題では、スピン・軌道揺らぎが増強される元素置換した擬ブルッカイト型Ti3O5において新物性探索を実施した。Ti3O5の低温β相においては、Ti3+/Ti4+の電荷整列を示すと同時に、隣接Ti3+が対となったスピン一重項の二量体形成が起きる。本課題では、同構造のAlTi2O5との混晶の単結晶育成に成功し、Al量に応じて室温でα、λ、β相が逐次的に現れ、α相とλ相において二量体相関が色濃く残留した相関伝導相が実現している可能性を見出した。さらに、λ相とβ相間の相境界近傍において、二量体形成の揺らぎに起因する特異な磁気特性や、高温域で比較的に高い熱電電力因子を示すことも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピン一重項の二量体形成は一般的な量子現象であり、Ti3O5やTi4O7の低温での二量体形成は古くから知られていた。ところが、Ti3O5のλ相やTi4O7の中間相ではバイポーラ・スピン液体状態や異常コヒーレント状態などが提案されており、それらの磁気・電子状態は未解明のままであった。さらに、近年、理論や実験の進展に伴い、スピン・軌道整列が起源となる多量体形成が多くの物質で見出され、その物性研究が進展しつつある。以上の背景のもと、本課題で育成に成功した元素置換したTi3O5やTi2O3の単結晶での発見は、二量体物性の理解を深化させ、さらに、巨大熱電応答など新量子物性につながる重要なものと思われる。
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