研究課題/領域番号 |
18K03562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡本 隆一 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任講師 (10636385)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 電解質溶液 / 排除体積効果 / イオン / 静電相互作用 / 溶媒誘起相互作用 / 疎水性相互作用 / 浸透第二ビリアル係数 / セチェノフ係数 / 電縮効果 / 塩溶液 / イオン固有効果 / 活量係数 / 部分モル体積 / 浸透係数 / 電解質 / ホフマイスター系列 / 連続場理論 / 水和効果 / 溶媒和 / 密度ゆらぎ / 相分離 / specific ion effect / ポアソン-ボルツマン方程式 |
研究成果の概要 |
水のような溶媒にイオン(塩)を加えた場合の溶液の物性は,塩濃度が小さいときにはDebye-Huckel則に代表されるような塩の種類に大きく依存しないような普遍則が存在する.しかし塩濃度が大きくなるにつれて塩の種類による違い(イオン固有性)が顕著になる.本研究課題における主たる成果は,(1)塩溶液の活量係数,浸透係数,塩部分体積のイオン固有性をイオン・溶媒の排除体積効果とイオンの電縮効果(イオンの電荷によって溶媒が"縮む"効果)の競合によって生じることをシンプルな粗視化理論によって明らかにした.(2) 疎水性分子の溶解度に対する塩効果と有効相互作用に対する塩効果の間の単純な関係を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,計算機の発展とともにイオン固有性の分子的詳細の様々な側面が明らかになってきた.反面,シンプルな物理的描像による理論的理解は(それが可能であるかどうかも含めて)得られていなかった.この成果は今後の理論のみならず,計算機による分子的詳細の研究,実験研究にも指針を与えると期待される.特に,塩溶液中における疎水性分子の溶解度と疎水性相互作用の間の単純な関係式は今後の計算機シミュレーションによる検証が待たれる.また,タンパク質やDNA溶液への塩効果のようなは生物学や化学工学において重要な研究の端緒となることが期待できる.
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