研究課題/領域番号 |
18K03571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
貞包 浩一朗 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (50585148)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 臨界現象 / 相分離 / 自己組織化 / ソフトマター / 溶媒和 / 中性子散乱 / 動的特性 / 液体 / 相転移 |
研究成果の概要 |
有機溶媒水溶液の臨界現象に対する「拮抗的な塩」について、主に小角中性子散乱、静的光散乱、動的光散乱を用いて研究を行った。小角中性子散乱と静的光散乱による「静的構造」に着目した結果により、2,6-ジメチルピリジン水溶液、2-ブトキシエタノール水溶液、アセトニトリル水溶液において、拮抗的な塩が「高秩序濃度揺らぎ」と「2次元流体的な臨界普遍性」を誘起することが明らかになった。一方で、動的光散乱で得られた溶液の「動的特性」は塩の影響を受けないことも明らかになった。また、NMRを用いた実験により、「高秩序濃度揺らぎ相」における分子レベルでの相互作用の描像についても明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、溶液中におけるイオンの効果はデバイ長(約0.7nm)程度で遮蔽されるため、高分子や界面活性剤を含まないシンプルな有機溶媒水溶液中で10nmを超える大きな構造が誘起されることはないとされてきた。また、ソフトマターの臨界挙動は、平均場的な振舞い(長距離相互作用に起因する臨界現象)を示す一部の高分子や界面活性剤系を除き、ほとんどが3次元Ising臨界普遍性に従うとされてきた。本研究により、いくつかの有機溶媒水溶液系において上記の常識を打ち破る知見が得られた。本成果は、電荷を含むソフトマターの自己組織化のメカニズムと相転移・臨界現象の本質をより深く理解する上で基礎となる。
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